第4楽章〜小波の王子と雪の音の歌姫〜
第37節「夕陽の中での再会」
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うう……!」
両手を交差させてエネルギー球を受け止める。地面をガリガリと削りながら後ずさるわたしに、その子は更にもう一撃振り下ろした。
「持ってけ、ダブルだッ!!」
〈NIRVANA GEDON〉
2つのエネルギー球がぶつかり合い、爆発する。
先ほどより一際大きな爆煙が上がり、モニタリングしている二課本部の職員達は息を呑んでいた。
「はあ、はあ……。お前なんかがいるから……あたしはまた……ッ!?」
「なんとか……間に合ったな!!」
煙が晴れる……いや、何かに飛ばされて消えていく。
土埃のカーテンを切り開いて現れたのは、持ち手を軸に回転するアームドギアを構えた翔だった。
「なっ!?盾だと!?」
「いいや、弓だ!この子を守り、二度と踏み躙らせない為なら盾にだってなる弓だ!!」
「チッ、ふざけやがって!……ッ!?」
立ち塞がる翔に一撃食らわせようとした鎧の少女は、その後ろに立つ響を見て驚く。
「……はあああああああああああああああああああああぁぁぁ!!」
響は両手で球を作るような構えで、両掌の間にエネルギーを集中させていた。
オレンジ色のエネルギーは、響の両手の間で球状になっており、形を得ようと膨らむ。
「ぁぁあああ──ッ、きゃあっ!」
しかし、エネルギーが固定できず暴発し、響はその爆風で転がる。
少女はその姿を見て確信した。
「やっぱり……ッ!この短期間にアームドギアまで手にしようってのか!?」
「立花!大丈夫か!?」
「大丈夫……!」
(でも、これじゃダメだ……。翼さんや翔くんのように、エネルギーを上手く固定できない!)
固定できないエネルギーに悩む響。しかし、そこでふと思いつく。
(エネルギーはあるんだ。アームドギアとして形成されないのなら──その分のエネルギーを、ぶつければいいだけッ!)
右手の中に集めたエネルギーを握り締める。すると、腕を覆うアーマーの装甲がスライドし、勢いよく白煙が吹き出す。
「させるかよッ!!」
2本の鞭が勢いよく振るわれる。翔はアームドギアを生太刀に切り替え、響の前で構える。
「立花!ここは俺が!」
「ううん、翔くんは避けて!」
「ッ!?わかった……」
翔が素早くサイドステップを踏み、退避した直後。その鞭を響は右手で掴んだ。
「しまったッ!」
「雷を、握り潰すようにーッ!」
鞭を思いっきり引っ張り、腰のバーニアで一気に加速する。
「私という音響き、その先に!微笑みをぉぉぉぉぉ!」
(最速で、最短で、真っ直ぐに、一直線にッ!!胸の響きを、この思いを、伝えるために──ッ!!)
「うああ……ッ!?」
少女は避ける事が出来ない。そして次の瞬間、鎧の少女の腹部のド真ん中に、その拳は力強く打ち込まれた。
「おりゃぁぁ
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