第4楽章〜小波の王子と雪の音の歌姫〜
第34節「衝突する好意」
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……」
「了子さぁぁぁぁぁん!?何を言いふらしてるんですかぁぁぁぁぁ!!」
この慌て様……やはり、歳相応の付き合いなのだろう。
やれやれ、可愛い義妹が出来てしまったものだ。……いや、正確には未来の義妹だが。
「立花、これは姉としての言葉なのだが……」
「えっ、あっ、はい……?」
「その……翔にはお前しかいないんだ。おじさま……風鳴司令の元で本格的に鍛え始めたのも、自分の事を"俺"と呼ぶようになったのも……それから、率先して人助けをするようになったのも、全て立花との縁に端を発している。翔自身は気付いていないかもしれないが、これだけ強く影響を与えているんだ。立花が正直に自分の気持ちを伝えれば、きっと答えてくれるだろう」
それは私が保証する。なぜなら私は風鳴翼、翔のただ一人の姉なのだから。
「翼さん……。ありがとうございます」
「応援しているぞ、立花。それとも名前で呼んだ方がいいか?」
「なっ、名前で!?そっ、そそそそ、それは一体つまりその、どういう意味でですか!?」
先程以上に真っ赤な顔であわあわ、と慌てる未来の義妹に、冗談だ、と笑いかける。
ああ、これは……その日が来るのが楽しみだ……。
「小日向……久し振りだな……」
声をかけられ振り返ると、そこには……わたしが今さっき、逃げ出してきた光景の中にいた人がいた。
息も切らさず追ってきて、私の顔を見つめている風鳴くんは、あの頃とは随分印象が違う気がする。
背も伸びたし、顔つきも変わったような……。なにより、あの頃の弱々しさが見受けられない、むしろお姉さんに雰囲気が近付いたような気さえする。
でも、そんな印象は今どうでもいい。問題なのは……。
「風鳴くん……どうして君が響と一緒に居るの?」
「それは……」
「ここひと月、響が毎日のように寮を出て行くことはに風鳴くんが関係してるんでしょ!?」
「……ああ。しかし、これは立花が自らの意思で始めた事だ」
「それって何!?響は何をしているの!?君と響って一体どんな関係なの!答えてよ!!」
気持ちの波が塞き止められず、勢いに任せてどんどん質問攻めにしてしまう。
それも、まるで責めるような激しい口調で。
風鳴くんは困ったような顔をして……やがて、こう口にした。
「立花からはどこまで聞いている?」
「響は全然何も話してくれないんだもん!修行って何?いっつも急用で何処かへ行っちゃうのはどうして?帰りが遅くなるのはどういう事なの!代わりに答えてよ!!」
「何も話してないのか……!?やれやれ、立花らしい……分かった。俺から代わりに説明……」
「響らしい……?」
──その独り言が、何だか一番癇に障った。
たかだか1ヶ月そこらの関係で、響の事を分かりきってたようなその口ぶりが、私の
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