第3楽章〜不滅の聖剣・デュランダル〜
第28節「作戦名『天下の往来独り占め作戦』」
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「ありゃりゃ、もう無くなっちゃった……」
「おかわりならあるぞ。立花が食べたがるだろうと思って、用意して来た」
そう言って、もう一つのホイルを響の前に差し出す翔。
響は一瞬嬉しそうな表情を見せ、ふと、何かに気付いたように翔の方を見た。
「これ、わたしの分なんだよね?」
「そうだぞ?」
「わたしだけおかわり貰っちゃうの、何だか申し訳ないなって……」
「そんな事ないぞ。俺はいっぱい食べる立花の顔を見るのが好きなんだ」
好き。その一言に響は一瞬頬を赤くする。そういう意味ではないと分かっていても、やはり響も1人の女の子なのだ。反応してしまうのも無理はない。
「だから、遠慮せずに食べていいぞ」
「うーん……でも、わたしは翔くんと一緒に食べたいな。ほら、美味しいものは一人で食べるより、皆で食べた方がもっと美味しいでしょ?」
「そ、そうか……」
響の言葉に、翔も再び頬を赤らめる。女の子に名指しで一緒に、などと言われれば、思春期の男子がそうなるのも無理はない。
……本当に、どうしてこの2人はここまでやって付き合っていないんだろう?と、2人の様子を監視カメラ越しに見かけてしまった出歯亀職員は、後に同僚達へそう漏らしていたという。
「なら、半分こにするしかあるまい」
「そうだね。それなら2人で食べられる!」
最後のホイルを開くと、翔はハンバーグを2つに割った。
2人はそれぞれ半分ずつ、箸でつまむと口へと運ぶ。
咀嚼し、味わい、舌の上で転がして。満足感に溢れた満面の笑みで、2人は声を揃えた。
「「美味し〜〜〜っ!」」
この後、おにぎりに残ったデミグラスソースを付けて食べ終わるまで、二課の廊下の一角からは、明るい声が聞こえていた。
翌日、夜明け前。先日の生弓矢護送任務の際と同様、黒服さん達と並んで号令を待つ。
「防衛大臣の殺害犯を検挙する名目で、検問を配備。記憶の遺跡まで、一気に駆け抜ける」
「名付けて、『天下の往来独り占め作戦』ッ!」
満面の笑みでVサインをする了子さん。作戦名宣言できてご満悦なんだろうなぁ。
「道中、ノイズによる襲撃が予想される。その際は翔、響くん、2人を頼らせてもらうぞ」
「了解ッ!」
「わかりましたッ!」
2人で了子さんの車に乗り込み、シートベルトを締める。
前日に打ち合わせた通り、立花は助手席で了子さんを、俺は後部座席でデュランダルの入ったケースを守る。
襲われたら俺が囮になりつつデュランダルを運び、立花には了子さんを護衛してもらう作戦だ。
「よーし、それじゃあ出発するわよ〜?」
「立花、朝食はしっかり食べたな?」
「もちろん!友里さんにちゃんとお礼も言ってきたよ!」
朝、起きて司令室に集まったら、友里さんが全員分のおにぎりと卵焼
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