第3楽章〜不滅の聖剣・デュランダル〜
第26節「蠢く影」
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た。数えきれない程のノイズを倒し、死線を越え、そこに意味など求めず、ただひたすら戦い続けてきた……。そして、気付いたんだ。私の命にも、意味や価値はないって事に」
周囲の風景が、また切り替わる。
今度はあの日のライブ会場。
誰もいなくなり、炭が風に巻い、夕陽だけが照らす荒れ果てたステージ。
その真ん中で、私と奏は互いに背中を預けて座っていた。
「戦いの裏側とか、その向こうには、また違ったものがあるんじゃないかな?あたしはそう考えて来たし、そいつを見て来た」
「それは何?」
私の疑問に、奏はさも可笑しそうに笑って返した。
「翼にも、とっくに見えてるはずだぞ?」
「私にも……?」
首を傾げて振り返ると、奏は空を見上げながら諭すように言ってきた。
「あの時、翼は何を胸に唄ったんだ?」
「私は……」
防人としての使命感?
違う。
剣としての役割を果たしただけ……。
これも違う。
あれはもっと、暖かくて穏やかな感情だったと思う。
絶唱を口にしたあの時、私の胸に浮かんだのは……。
「翔と、立花……」
「そういう事さ。なら、答えは見えて来るだろ?」
そっか……。私の命に、剣以上の価値があるなんて事、忘れていた……。
それを思い出した瞬間、涙が溢れて来た。
「翼……泣きたい時は、思いっきり泣いてもいいんだぞ?」
「な、泣いてなんか……もう、奏はやっぱりいじわるだ……」
「なら、翼は泣き虫で弱虫だ」
もう、何回も繰り返したやりとりだ。
そして、もう二度と聞くことが出来ない言葉だ。
それを実感すると、もっと涙が溢れて来る。
「……でも、そのいじわるな奏は……私にとって、一番大事な人はもう、いないんだよね……」
「そいつは結構な事じゃないか」
「私は嫌だ!奏にも、傍に居てほしいんだよ……」
あの可愛かった弟が、あれからどんどん逞しく育って、今じゃ二課で私と肩を並べている事を、一緒に喜んでほしい。
その弟に出来た大切な人が、私達の後輩で、とっても素直でいい子なんだって事を知ってもらいたい。
だけど、その2人を見ていると何だか寂しくなって、私の中の意地っ張りな部分がついつい鞘走ってしまう事を、愚痴として聞いてほしい。
私の大切な人たちの輪に、奏だけが居ないのはやっぱり嫌だよ……。
振り返ると、奏の姿は消えていた。
でも、立ち上がって夕陽を見つめる私の耳には、奏の声が聞こえていた。
「あたしが傍に居るか、遠くに居るかは、翼が決める事さ」
「私が……?」
足元で何かが夕陽を反
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