第7章:神界大戦
第224話「宿りし“天使”」
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思考を打ち切る。
「……決して、後悔のない選択……」
「最後の方に言ってた言葉だよね……?」
この際、“天使”の言っていた事の真偽は関係ない。
それよりも重要だったのは、最後に告げられた言葉だ。
「あんな事を言われて、引き下がる訳にはいかないわ」
「……うん。まだ、諦められない」
掌を見つめ、自分の意志を確かめるように握る。
“天使”の言葉が発破となったのか、二人の瞳に敗北感はなかった。
「(風は空に、星は天に、輝く光はこの腕に、不屈の心はこの胸に)」
自身の愛機を展開する際の呪文を、なのはは胸の中で呟く。
その呪文の通りに、不屈の心を胸に抱きながら。
「……よしっ!」
心機一転。
頬を軽く叩いて、なのはは部屋を出る。奏もそれに続いた。
「とりあえず、まずは……」
その時、二人の腹から可愛らしい音が鳴る。
「……………」
「……食堂、行こっか?」
「……ええ」
神界に乗り込んでから何も食べていないため、二人は空腹だったのだ。
何はともあれ、まずは食堂に向かう二人だった。
「あら、なのはさん、奏さん」
「あ、リンディさん」
食堂でなのはと奏が食事を取っていると、リンディが通りかかった。
「目を覚ましていたのね。相席してもいいかしら?」
「どうぞ……」
少しして自身の分の食事を持ってきて、リンディは同じテーブルに座る。
「食べながらでもいいから、聞きたい事があるわ。本来なら、ちゃんと場を設けるつもりだけど、状況が状況だものね」
「聞きたい事……ですか?」
なのはが聞き返す。
「ええ。……神界での戦い、そこで貴女達が感じたモノについて」
「っ……!」
“神界”と言う単語に、なのはと奏は身を引き締める。
軽い世間話ではないと即座に理解し、思考を切り替えた。
「感じたモノ、ですか」
「司さんから大体の事は聞いたのだけどね。出来れば、本人からも聞いておきたいの。特に、二人は神界において動きが良くなっていたみたいだから」
「……なるほど」
確かに気になる事だと、奏は納得する。
同時に、その事について心当たりが丁度存在した。
先の夢に出てきた“天使”だ。
「まだ確証はありませんが、心当たりならあります」
全てを信じた訳じゃない。
しかし、無関係ではないと判断して、奏は夢での“天使”について話した。
「“天使”の……転生体……」
「神界の空気に馴染みがあったから冴えていた……そう考えています」
「なるほどね……なのはさんが間接的にとは言え理力を扱えたのも……」
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