暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは〜無限の可能性〜
第7章:神界大戦
第224話「宿りし“天使”」
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 それほど、神界での敗北が身に沁みていた。

「っ………!」

「……まぁ、無理もありません。諦めるのなら、それもまた手です」

 “今後どうなるかは置いておいて”と続け、“天使”は改めて奏となのはを見る。

「……ですが」

「ッ!」

 その眼差しに、奏となのはは気圧される。
 まるで、これを聞き逃せば後悔するぞと、訴えかけられるように。

「決して、後悔のない選択を。……貴女達が本当に望むもののためなら、決して妥協しないでください」

「ぁ………」

「私達から言う事は、これだけです」

 そこまで言うと、“天使”の体が……否、空間そのものが薄れ始める。

「今度会うとすれば、それは現実になるでしょう」

「その時まで、私達の“可能性”も預けます」

「「どうか、貴女達にとっての最善を尽くしてください」」

 夢のような時間が終わる。
 二人は、それを止める間もなく、その場での意識を落とした。













「っ………」

 アースラにある仮眠室にて、奏は目を覚ます。

「夢……いえ、今のは……」

「奏ちゃん……?」

 先程までの事を思い出していると、なのはも同じように目覚める。

「なのは、さっきまでの事……覚えているかしら?」

「……うん。夢……みたいな所の事だよね?」

 覚えているかの確認を取ると、肯定が返ってくる。

「……場所を変えましょう。まだ眠っている人もいる事だから」

「……そうだね」

 一旦場所を変えるため、二人は仮眠室を後にする。
 手ごろな部屋に向かい、途中で飲み物も持って改めて話を切り出す。

「……まずは、お互い“同じモノ”を見たのか擦り合わせを行いましょう。早々ないとは思うけど、微妙に違うモノを見ていた可能性もあるわ」

「……そうだね。確かめておいた方が無難だね」

 まずは認識の違いがないか、お互いの記憶の擦り合わせを行う。
 何せ、神界という規格外な場所を経験してきたのだ。
 万が一、と考えたからには確かめるべきだと二人共思った。



「―――覚えている限りでは、違いはないわね」

「じゃあ、同じモノを見たのは確定?」

「確定……とまでいかなくても、仮定としては十分ね」

 しばらくして、お互い同じ内容だったことが分かる。
 これでようやく、夢で見た事について考察が出来る。

「……本当だと思う?」

「どうでしょうね……。確信できる材料はないわ」

 ソレラと祈梨に騙されていた事から、神界に関するものを二人は信用できなくなっており、未だに疑っていた。
 だが、嘘とも本当とも判別がつかず、判断しかねていた。

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