第7章:神界大戦
第224話「宿りし“天使”」
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うだとしてもその言葉は衝撃に値した。
「なんで、私達に……」
どうして自分達に“天使”のような存在が宿っているのか。
まだ目の前の“天使”達がそうだと決まった訳ではないが、いずれにしろなぜ宿る対象が自分達だったのか、聞かずにはいられなかった。
「……別段、決まっていた訳ではありません」
「私は貴女と、姉さんは彼女と、どこかしら共通する、もしくは似た気質を持っていた故の偶然に過ぎませんよ」
戸惑いを見せるなのはに、出来る限り落ち着かせる口調で答える“天使”。
「それに、“宿る”と表現しますが……実質的に、貴女も私も同じ“高町なのは”で間違いないんですよ」
「同じように、私と貴女、どちらも“天使奏”に相違ありません」
「それは、どういう……?」
遠回しな言い方に、今度は奏が聞き返す。
「私達は後付けで貴女達と一緒になった訳ではありません。……私達の魂が神界外の輪廻及び魂の循環路に入り込み、それが人の子として生まれ変わった……それが今の私であり、貴女なのです」
「“天使”として力を失った私達は、最早人間と大差ありません。……こうして、自我が復活している事自体が奇跡そのものと言えます」
「つまり、私達の魂が今の貴女達になっているのですよ」
それは、言い換えるならば前世と今で二重の人格になっているようなものだ。
元々が同じ魂だからこそ、“天使”もそれぞれ“高町なのは”と“天使奏”と同一だと言い表せるのだ。
「元々、私達の魂は“天使”だった……?」
「そうなりますね」
「神界に来た時、やけに頭が冴えていたでしょう?それも、元々が“天使”だったからです。神界が魂と体に馴染んだのでしょう」
簡単に信じる訳にはいかない。
だが、その言葉は二人にとって何よりも浸透するものだった。
まるで、それが真実だと、本能や魂、体が確信しているかのように。
「っ………!」
本能的に信じそうになったのを、なのはと奏は理性で拒む。
相手は規格外の存在。そういう風に信じ込ませようとしている可能性もある。
その考えから、何とか理性だけでも警戒はやめずにいた。
「……いい警戒です。本能は分かっていても、理性で拒む。同一の存在からの言葉に対し、そう対応するのはいい傾向です」
「え……?」
二人のその姿勢を、“天使”はむしろ歓迎した。
そんな反応を見て、なのはは呆気に取られる。
「貴女達は貴女達で、私達は私達で。徐々に乖離していくことによって、私達は無事に分離することができます」
「そうなれば、貴女達に悪影響を残すことはないはずです」
“天使”達となのは達は違う。
その事実が明らかになる事で、スムーズに分離する
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