第7章:神界大戦
第224話「宿りし“天使”」
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は、かなり疲労し、弱体化している。
神界にいた時のあの冴えた感覚も、今は一切ない。
「……なのは?」
「えっ……奏ちゃん!?」
そんななのはに、声を掛ける存在がいた。
いつの間にかいたのか、靄の中から奏が現れたのだ。
「……本人?」
「え?そうだけど……?」
どうしてそんな事を聞くのか。
なのはは疑問に思い……すぐに気付く。
「そっか。こんな空間だから、偽物が現れても……」
「ええ。おかしくないわ。……そういう事を言うのなら、本人の可能性は高いけど」
それでも、奏は警戒を解かない。
演技の可能性も疑って、無防備にならないようにしているのだ。
それはなのはも同じで、警戒したままだった。
「―――安心してください。お二人共、正真正銘ご本人ですよ」
「「ッッ……!?」」
突然、第三者の声が響く。
なのはと奏は即座にその声が聞こえた方向から飛び退く。
「(二人……!?)」
「(全然、気づけなかった……!)」
そこにいたのは一人ではなかった。
なのはと奏の身長と然程変わらない女性が二人、そこにいた。
特筆すべきなのは、何よりも背にある羽と頭上の輪だ。
「天使……?」
「いえ、なのは。この二人は……!」
「っ、神界の“天使”……!」
一見すれば、それは神話などの天使に見える。
だが、つい先程まで嫌という程見てきた二人なら分かる。
目の前の二人は、神界に存在する“天使”と同じ存在だと。
「………!」
「……警戒するのもわかります。私達が“天使”なのは事実ですから」
この空間に来てから、二人は今までで一番警戒する。
“天使”と来ればついさっきまで戦ってきた。
そんな“天使”と重ねて見て、警戒するのも仕方がないだろう。
「(……敵?それとも……)」
「(判断がつかない……)」
イリスの洗脳を初見で見破る事は出来ない。
普段の言動との相違である程度見分けがつくが、見知らぬ相手や演技している場合は理力でも使えない限り判別できない。
「ふぅ……困りましたね。これでは会話もままなりません」
「判別のできない人の身では、仕方ないかもしれませんけどね」
決して警戒をやめない二人に、目の前の“天使”二人も呆れた様子を見せる。
だが、理解はできるため対話を諦めようとはしない。
「(……よく見れば、どことなく片方はなのはに似ている……)」
「(あっちは奏ちゃんに似てる……じゃあ、もう一人は私……?)」
ふと、二人は目の前の“天使”が自分達に似ている事に気づく。
尤も、若干似ている程度なので、双子や兄弟姉妹程は
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