暁 〜小説投稿サイト〜
戦姫絶唱シンフォギア〜響き交わる伴装者〜
第2楽章〜約束の流れ星〜
第24節「言えない秘密と始まる特訓」
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「そう。私はまだまだ全然ダメで、翔くんにも迷惑かけちゃってる。翔くんは優しいから、全然迷惑だなんて思ってないと思うけど……やっぱりわたしも、翔くんに頼りっぱなしじゃダメだよね」
 そこまで言うと、未来は少し考え込む。
 うう……やっぱり色々隠しながら話すのって難しい……。
 
「……あのね、響。どんなに悩んで考えて、出した答えで一歩前進したとしても、響は響のままでいてね」
「わたしのまま……?」
 立ち上がり、空を見ながらそう言った未来に首を傾げる。
「変わってしまうんじゃなく響のまま成長するんだったら、私も応援する。だって響の代わりは何処にもいないんだもの。いなくなってほしくない」
「……わたし、わたしのままでいいのかな?」
「響は響じゃなきゃ嫌だよ」
 その言葉に、翔くんの言葉が重なる。
 私は私、"立花響"のままであればいい……。二人共、私に同じ言葉をかけてくれている。
 その同じ言葉に中学の頃、胸に刺さった棘が1本、抜け落ちた気がした。
「ありがとう、未来。わたし、わたしのまま歩いて行けそうな気がする」
 学校の隣にある、翼さんが入院している病院を見ながら、わたしは決意を握る。
「そっか。ならよかった」
 そう言って微笑むと、未来はスマホを取り出した。
「実はこの前の流星群、動画に撮っておいたんだ」
「え!?見たい見たーい!」
 未来のスマホを借り、動画を再生する。
 
 でも、カメラには真っ暗な空しか映ってなくて、星なんて一つも見えていなかった。
「んん?……なんにも見えないんだけど……?」
「うん、光量不足だって」
「ダメじゃん!!」
 そうツッコむと、わたしと未来の間には自然と笑顔が咲いていた。
「あははは、おっかしいな〜もう……。次こそは、最後まで一緒に見ようね?」
「今度は絶対、途中で抜けないでよ?」
「うん!今度は翔くんも連れて来ていいよね?」
「え……う〜ん……まあ、響がそれでいいなら……」
 何故か少しだけ困ったような顔をした後、未来はそう言った。
 あの日、翔くんと翼さんは空を見上げる人達を守る為、自分たちは空より目の前だけを見続けていた。
 だから、今度は2人よりも3人で!忙しくなかったら、翼さんも連れて来て4人で一緒に見よう!
 
 ──わたしだって、守りたいものがある。わたしに守れるものなんて、小さな約束だったり、何でもない日常くらいなのかもしれないけど、それでも、守りたいものを守れるように……わたしは、わたしのまま強くなりたい!
 
 
 
「たのもーーーッ!!」
「なっ、何だいきなり!?」
「ようやく来たか、立花」
『風鳴』と木製の表札がかけられた屋敷の門を叩き、声を張り上げる1人の女子校生。
 家主の風鳴弦十郎は驚きながら戸を開く
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