第2楽章〜約束の流れ星〜
第22節「落涙」
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このっ!!」
立花の手を引きながら、なおかつ別々の四方向から放たれたのでは避ける事もできず、俺と立花は、四方からの粘液に揃って囚われてしまった。
ベトベトしてる上に粘着力が高く、まるで蜘蛛の糸のようにこちらの動きを封じてくる粘液に、生理的な嫌悪感を覚える。
「そんな……ウソ!?」
「立花!しっかりしろ!」
ってか、俺はともかく立花にこんなばっちいモンをぶっかけるんじゃねぇ、このせいたかのっぽ共!!
クソッ!腕に力を集め、両腕のエルボーカッターで切断出来れば……ダメだ、腕が動かせないように刃が触れない位置を狙って拘束されてる!
こいつら、ノイズのくせに頭が良いぞ!?
……ということは、あのソロモンの杖って完全聖遺物に備わっているのは、ノイズを召喚して操る能力……。しかも、結構細かい命令を下せる代物なのでは?
ソロモン王の名を冠する聖遺物といえば、『ソロモンの指輪』なら有名だ。
全72柱の悪魔を従える魔術の王。神に授けられたその指輪こそが、悪魔達を従える契約の象徴だと言うが……杖、か。
従えていたのは悪魔ではなく災厄
ノイズ
そのものであり、その聖遺物の実態は指輪などではなく杖だったというわけか……。
感心してる場合じゃないな。とにかくこいつを何とかしないと……!
「はあああーーーッ!!」
「……ッ!?」
姉さんが再び大剣を手に突進する。
両手で持った鞭で防ぐ少女に、姉さんは吼える。
「その子達にかまけて、私を忘れたかッ!!」
姉さんが一瞬の隙を突いて足を払い、少女はバランスを崩してよろめく。
更に姉さんは何度も少女に回し蹴りを繰り出し、両脚の刃を振るう。
少女も負けじとその脚を鞭で受け止め、啖呵を返す。
「ぐっ……!!この、お高くとまるなッ!」
そのまま姉さんの足を掴むと、力任せに放り投げた。
「なっ!?ぐううううッ!」
地面を抉って吹っ飛ばされ、地面を転がる姉さん。
更に少女は跳躍し、素早くその先へと回り込むと姉さんの頭を踏みつけた。
「のぼせ上がるな人気者。誰も彼もが構ってくれるなどと思うんじゃねぇッ!!」
「くっ……」
鎧の少女は姉さんを見下ろすと、俺たちの方を見ながら言った。
「この場の主役だと勘違いしてるなら教えてやる。狙いはハナッから、そいつらをかっさらう事だ」
「え……わたし、たち……?」
「何だと!?」
「鎧も仲間も、アンタにゃ過ぎてんじゃないのか?」
姉さんは囚われた俺達の方を見て、鎧の少女を睨み付ける。
「……繰り返すものかと、私は誓った!!」
空へと剣を掲げると、千の剣が闇を裂いて降り注ぐ。
〈千ノ落涙〉
無数の刃に鎧の少女はバックステップを踏んで後退する。
その隙に姉さんは立ち上がり、サイ
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