暁 〜小説投稿サイト〜
戦姫絶唱シンフォギア〜響き交わる伴装者〜
第2楽章〜約束の流れ星〜
第22節「落涙」
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手を傷付けたくて刃を交えるんじゃない。世の中、話し合いで解決出来ることばかりじゃない。でも、話を聞く事くらいまでなら誰にでもできる。だからこれは、話し合う為の手段の一つなんだ」
「話し合うための、手段?」
「そう。話を聞いてもらうためのアピールタイム、または交渉手段。武器を収めてもらうために自分も武器を振る、というのはかなりの皮肉だけど……拳や刃を合わせなくちゃ分からない事もあるんだよ」
 立花の方から、今度は姉さん達に視線を移す。姉さんと鎧の少女の戦いは、拮抗していた。
 
 姉さんが放った〈蒼ノ一閃〉は、少女が放つ鞭の一振りで簡単に弾かれ、狙いを外れて爆発した。
 驚きながらも姉さんは、着地体勢をとりながらも大剣を振り回す。
 少女はそれらを軽々と躱し、刃を鞭で受け止める。
 剣を受け止められ隙が生まれた姉さんの腹に、少女の蹴りが炸裂する。
「ッ!?がはっ!!」
「姉さん!!」
 後方に勢いよく吹き飛ばされる姉さんに、少女は言い放った。
「ネフシュタンの力だなんて思わないでくれよな?あたしのテッペンは、まだまだこんなもんじゃねぇぞ?」
 何とか受身を取り、地面に足を付けて後退る姉さん。
 しかし、少女の鞭が追い打ちとばかりに振るわれ、跳躍する。
 地面を抉り、木をへし折って振るわれ続ける鎖鞭。姉さんが押されている……いや、どちらかと言えば、姉さんの動きの方に精彩が欠けている!?
 やっぱり姉さん、冷静さを保てていないんだ!
 
「翼さん!!」
「姉さん!!」
 思わず立花と揃って飛び出そうとする。しかし、少女はそれを阻むようにこちらへと杖を向けた。
「お呼びではないんだよ。こいつらでも相手してな」
 杖の中心部に嵌められた宝玉から、黄緑色の光が放たれる。
 光は俺達の眼前に着弾すると……その光から四体のノイズが現れた。
「なっ!?」
「えっ……ノイズが、操られてる!?どうして!?」
「そいつがこの『ソロモンの杖』の力なんだよ!雑魚は雑魚らしく、ノイズとでも戯れてな!」
「ソロモンの杖……ノイズを操る力を持った、完全聖遺物だと!?」
 現れたノイズは、これまで見たことが無い個体だった。
 トーテムポールのように細長い体躯、丸い頭に嘴が付いた鳥みたいな顔。腕は無く、細い両足だけが身体を支えている。
 縦に長い巨体は、立花の身長の5倍以上はあるだろう。ダチョウ型、というのが適切だろうか?
「新種に初手で接近戦は避けたい、一旦離れるぞ立花!」
「わあっ!!」
 立花の手を引いて駆け出す。しかし、ダチョウノイズ達の能力は予想していないものだった。
 
 ダチョウノイズらの口から、吐き出された白い粘着質な液体が吐き出される。
「えぇっ!?うぇぇ何これ……動けない!?」
「拘束用の粘液だとぉ!?
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