暁 〜小説投稿サイト〜
戦姫絶唱シンフォギア〜響き交わる伴装者〜
第2楽章〜約束の流れ星〜
第22節「落涙」
[1/5]

[8]前話 前書き [1] 最後 [2]次話
「馬鹿な……。現場に急行する!何としてでも、ネフシュタンの鎧を確保するんだ!!」
 弦十郎自らが出動する為、黒服達が車を手配し始める。
 普段はマイペースな了子も、この時ばかりは眉間に皺を寄せていた。
「ええ、行きましょう。……急がないと、翼ちゃんが()()かもしれないわ」
「唄うって……まさか絶唱を!?」
 了子の言葉に、藤尭が目を見開く。
「あの鎧は2年前のあの日に奪われた物だ。それを前にして、翼が冷静でいられるとは思えない……」
「絶唱……装者への負荷を厭わず、シンフォギアの力を限界以上に引き出す諸刃の剣……」
「絶唱を口にすれば無事には済まない。翼、早まってくれるなよ……」
 弦十郎と了子は司令室を飛び出し、エレベーターへと走った。
 翼が唄う前に、間に合わせなければと焦燥しながら。
 
 
 
「預けた勝ちを受け取りに来たぜ」
「預けられた覚えなどない。その鎧、今夜で返してもらおうか!」
 挑発的な笑みを浮かべる鎧の少女に、姉さんは刀を向けて構える。
 少女もまた右手に持っていた杖を構え、左手には棘だらけの鞭を握る。
 前回現れた時、姉さんはこの少女に足止めされていたらしい。姉さんと互角にやり合う辺り、実力はかなりあるはずだ。
 ネフシュタンの鎧を取り返す為にも、まずは無力化しなくては……。
「やめてください翼さん!相手は人です!同じ人間ですッ!!」
 などと考えていた矢先、立花が姉さんへとしがみつく。
 立花、確かにその気持ちは分かるが、ちょっと落ち着──
 
「「戦場(いくさば)で何をバカな事をッ!!」」
 ……姉さんと鎧の少女が、同時に同じ言葉を発する。
 オイオイ、この人達意外と似たもの同士らしいぞ……?
 一拍置いて、姉さんと鎧の少女は互いの顔を見て、挑発的な笑みを零す。
「むしろ、あなたと気が合いそうね?」
「だったら仲良くじゃれあうかい?」
「ああ……参るッ!」
 少女が振るった鞭が地面を抉り土を巻き上げる。
 姉さんは立花を突き飛ばすと、そのまま跳躍してそれを躱した。
 慌てて突き飛ばされた立花を受け止める。やれやれ、立花の甘さにも困ったものだけど、姉さんも姉さんで今回は冷静さを欠いているのでは?
「まったく……立花、大丈夫か?」
「ありがと……って、翔くん!翼さんを止めないと!」
「分かってるさ。だけど落ち着け。なにも姉さんはあの子を傷付けるために戦っているんじゃない。ネフシュタンの鎧を取り戻す為にも、まずは無力化しないといけないだろ?」
 立花を宥めるようにそう言うが、立花は納得出来ないという顔をしている。
「例えるなら……武器持った犯罪者相手に銃を向ける警官を見て、立花は同じ事を言えるのか?」
「そ、それは……」
「そういう事だ。相
[8]前話 前書き [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ