第2楽章〜約束の流れ星〜
第21節「夜に遭逢す」
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々しいものに変わっていた。
頭を鷲掴んで首を引っこ抜き、貫手で体躯の中心部を貫き、クロールノイズを真っ二つに引き千切った。
前後から挟み撃ちにして来たノイズは、やはり頭を掴むとそのまま互いをぶつけて地面に叩きつけ、頭を踏み潰した。
〈禍ノ生太刀〉
最後の一体には、同じく赤黒く染まったアームドギアを取り出すと、素早く突き刺した。
一度だけに飽き足らず、二度、三度と何度も突き刺す。
食いしばった牙は、突き立てる刃と同じように鋭く、剥き出しの殺意を象徴しているかのようだった。
ボールのように転がってきた、ぶどうノイズの球状器官が爆発する。
「ッ!?くっ!!」
爆煙に包まれた次の瞬間、翔の姿は元に戻っていた。
両腕で顔を保護する防御姿勢を解き、目の前から走り去るぶどうノイズを見ると翔は、目の前のタイルに突き立つアームドギアを引き抜いて走った。
「待ちやがれ!!」
線路へと飛び降り進むと、ぶどうノイズはまたしても器官を飛ばして爆発させる。
今度は地下鉄の路線の天井を破壊し、その穴から地上へと素早く登って行く。
その代わり、分厚い岩盤を破壊する為に全ての器官を費やし、ヒョロヒョロの身体をくねくねと揺らしながら逃げ去る辺り、今追い詰めればトドメを刺すのは簡単だろう。
「このっ……」
ひとっ飛びで登りきろうとしたその時、見上げた夜空に一筋の蒼い光が降る。
「あれは、流れ星……いや違う、あれは!!」
あれは何だ!流星だ!UFOだ!いや、違う!!
あれは……剣だ!!
〈蒼ノ一閃〉
ぶどうノイズの頭上から放たれた蒼き斬撃が、身を守る術を失ったその細長い体躯を真っ二つに切断する。
「嗚呼絆に、全てを賭した閃光の剣よ──」
ヘリから飛び下り、そのまま落下しながらその一太刀を振るった翼は、大剣へと形を変えたアームドギアを片手に降り立つ。
地面に降り立つ瞬間、両脚の刃がスラスターのように火を拭き、落下の衝撃を軽減する。
「姉さん!」
「これで最後だな?」
アームドギアを刀型に戻した姉さんへと駆け寄る。
姉さんは周囲を見回し、もうノイズが残ってない事を確認してから俺の方を向いた。
「助かったよ……そいつ、個体増殖するし機雷飛ばしてくるしで苦労したんだよ……」
「それは確かに、一人で相手取るには辛いな……。だが、よくここまで耐えたじゃないか。お疲れさま、翔」
そう言うと姉さんは、刀を持っている方とは逆の手で俺の頭を撫でる。
俺としては恥ずかしいのでやめて欲しいんだけど、辺りに人は居ないし、姉さんが満足げに笑っているから別にいいや。
「翔くーん!翼さーん!大丈夫ですかー!!」
耳に入った慌ただしい声。反射的に振り返ると、そこには夕
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