暁 〜小説投稿サイト〜
戦姫絶唱シンフォギア〜響き交わる伴装者〜
第2楽章〜約束の流れ星〜
第20節「約束の流星雨」
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外してください!』
「え……?」
 端末から聞こえてきた声に、顔を上げる。
 翔くん……なんでいきなり!?
『どういう事だ翔?』
『立花は今夜、友達としし座流星群を見る約束をしているんです!その為にレポートを仕上げようと、今日まで頑張って来たんです!その努力を無為にする事など出来ません!だから、今回立花を出動させないでください!』
「翔くん……」
『立花が出ない分は、俺が戦います!俺が2人分働けば、立花がいない分の穴も埋められます!だから……今夜は立花の行く先を、戦場(いくさば)の只中にしないでください!!』
 翔くんの声は必死だった。私に未来との約束を破らせないために、本気で弦十郎さんに訴えかけている。
 私を未来との約束の夜空へ行かせるために、私の分まで戦うとまで宣言して。
 その必死さが伝わったのか、弦十郎さんはその提案を直ぐに受け入れた。
『分かった。確かに、そこまで頑張って守ろうとした約束を、ノイズ如きに反故にさせるわけには行かないな。響くん、今日の所は我々に任せて、友達との思い出を作るといい』
「でっ、でも……」
 
『立花、俺が何の為にレポート手伝ったと思ってるんだ?』
 翔くんに言われて、そういえばと考える。
 自分の宿題でもない、ましてや学校も違うのに翔くんは私のレポートを手伝ってくれた。
 親切心……だと思っていたんだけど、そう言われると……。
『君が小日向との約束を守れるように、俺は手を貸したんだ』
「私が未来との約束を守れるように……」
『当日にノイズが現れる可能性も、考えてなかったわけじゃない。でも親友との約束は、書き終わったばかりの恋文と同じくらい、破っちゃいけない大事なものだろ?』
 微笑み混じりのその声に、ドヤ顔で臆面なく言いきる翔くんの顔が浮かんだ。
 ここまでしてもらって悪いなぁ、なんて申し訳なく思っていた気持ちは、その一言で吹き飛んだ。
 もっと周りに頼れ。それが翔くんからもらった、とても胸に響く言葉だった。
「翔くん、ありがと。今度お礼しなくちゃね」
『ああ。2人分働くんだからな、少しだけ高くつくぞ?』
 だから私は、安心して翔くんに後を託すと通信を切った。
「響、どうしたの?」
 端末をポケットに仕舞った直後、未来が廊下を曲がって戻って来た。
 少し不安そうな顔をしているのは、私が約束を守れなくなったんじゃないかと心配しているからだと思う。
 
 だから私は、精一杯の笑顔を未来に向けて言った。
「未来……流れ星、一緒に見ようねっ!」
「うん……!二人で、一緒に!」
 
 
 
「さて、と……」
 通信を切り、端末をポケットに仕舞うと背後から地下へと伸びている階段……地下鉄、塚の森駅へと続くその階段の先を睨みつける。
 登って来るのは、今
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