第2楽章〜約束の流れ星〜
第20節「約束の流星雨」
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、どうしても浮かんでしまうのだ。
──偽善者と──
「と、とにかく……響、今度その人に会う時はちゃんと正直に言ってよね。いい?」
「う、うん……。ごめんね、秘密にしているつもりはなかったんだけど……」
本当は秘密だらけで、その中の端っこだけを切り取って、それをまだ殆ど隠して話しているのに……。
親友を危険に巻き込まないために、親友に対して秘密を持たなければならない。
その事実に心を痛めながらも、響はそう答えた。
「……さて、そろそろ私達は行くね。レポートの邪魔しちゃ悪いし」
「でしたら、屋上でテニスなど如何でしょう?」
「さんせー!じゃ、二人とも、また後でね〜」
このまま話を打ち切らずにいると、暗いムードになりかねない。
そう判断した三人は話題を打ち切り、二人と別れて屋上へと向かって行った。
「そうだ!レポート終わらせないと!」
「私ももう少し手伝うよ。流れ星、見るんでしょ?」
「ありがとう未来〜!」
口から出かけた言葉を押し込める未来と、話したくても話せない響。お互い相手を大事に思うからこそ、言えない言葉が積もって行く。
それでも二人は、交わした約束を目指して共に歩んで行くのだ。
いつかきっと、打ち明けられる日が来る事を信じて……。
「良かったぁ、レポート間に合ったよ〜!いつもより早かったわね、って褒められちゃった」
「やったね、お疲れ様っ!」
何とか提出を終えた響は、未来と二人でハイタッチしていた。
提出期限はギリギリではあったが、時間をかけたのはまとめの一文だけだ。レポートの中身そのものは、もっと早く終わっていた。
時間は夕方、そろそろ日が落ち始める頃になっていた。
「これで約束の流れ星、見られそうだ!」
「それじゃあ、響はここで待ってて。教室から鞄取ってきてあげる!頑張ったご褒美!」
そう言って、未来はあっという間に廊下の角を曲がって行った。
「あっ、そんないいのに〜……もう行っちゃった。足速いなぁ、さすが陸上部──」
その時、二課の端末からアラームが鳴り響く。
「こんな時に……」
そのアラームの理由を察して、響は表情を曇らせながら回線を開いた。
『ノイズの反応を探知した。響くん、直ぐに現場へ急行してくれ』
「……はい」
予想通りの、最悪の展開。
この日の為に頑張って来たのに……。
未来にも、翔にも手伝ってもらってレポートを完成させたのに……そんな大切な約束さえも、ノイズは奪ってしまう。
悔しさに唇を噛む。約束を破らなくてはならない悲しみに、目線が下がる。
(ごめんね、未来……。せっかく約束したのに、私──)
『いえ、司令!立花は今回、任務から
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