第2楽章〜約束の流れ星〜
第19節「完全聖遺物・デュランダル」
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して行った。
それを見送り、響は呟く。
「私達を取り囲む脅威は、ノイズばかりじゃないんだね……」
「ああ。悲しい話だけどな……」
「どこかの誰かがここを狙っているなんて、あまり考えたくないよ……」
そう呟く響の前に立つと、了子は自慢げに宣言した。
「大丈夫よ。なんたってここは、テレビや雑誌で有名な天才考古学者、櫻井了子が設計した人類守護の砦よ!異端にして先端のテクノロジーが、悪い奴らなんか寄せ付けないんだから♪?」
「はいはい。了子さんの天ッ才ぶりは重々理解していますよ」
「あはは、頼りにしています……」
了子のしつこい程の天才アピールに、響と翔は揃って苦笑いするのだった。
翌日、昼休み。私立リディアン音楽院高等科の校庭、その片隅にある芝生では仲の良さそうな五人の女生徒が集まっていた。
「人類は呪われているーーーっ!!」
そのうち2人は、友人に弁当を食べさせてもらいながら、必死で昨日仕上げる前に寝てしまった事で完成させられなかったレポートの最後のページを仕上げている立花響と、そんな彼女を隣で見守る親友、小日向未来だ。
「むしろ、私が呪われている。あむっ……もぐもぐ」
「ほら、お馬鹿なこと言ってないで。レポートの締め切りは今日の放課後よ?」
「だからこうして……もぐもぐ、限界に挑んでるんだよ」
「それにしても珍しいよね〜、ビッキーがレポートこんなに早く仕上げてるなんて。頭でも打ったの?」
灰色がかったショートヘアが特徴的なリーダー格の少女、安藤創世が不思議そうに呟く。
「確かに珍しいよね。いつもなら放課後ギリギリまでやってようやく提出なのに、今回は殆ど終わってるじゃん」
「未来さんが手伝うよりも先に、ここまで来ていたのですわよね?」
茶髪のツインテールが印象的なアニヲタ少女、板場弓美と、金髪ロングヘアで上品な言葉遣いの少女、寺島詩織も首を傾げる。
「うん。響、このレポート、一体誰に手伝ってもらったの?」
「うーん……何て言ったら良いんだろ。最近出来た友達、かな」
「友達?私、聞いたことないんだけど……」
未来の目がジトッとする。安藤、板場の二人はその視線に一瞬だけ肩を跳ねさせた。
「ヒナが嫉妬してるよ……」
「し、親友の交友関係にジェラシー妬くなんてアニメじゃないんだから……」
「どのような方なのですか?」
「詩織!それ火に油ぁ!!」
未来の表情に気づかなかったのか、寺島は他の二人が敢えて避けようとしていた疑問を見事に言いきった。
そして、その問いに対して響は……少し困ったような顔をして、やがて意を決したように答えた。
「えっと、とっても優しくて……ちょっとだけかっこいい人……かな」
瞬間、その
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