暁 〜小説投稿サイト〜
戦姫絶唱シンフォギア〜響き交わる伴装者〜
第2楽章〜約束の流れ星〜
第18節「約束の日、迫る」
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くりと船を漕いでいた。
 その向かいに座る黒髪のショートヘアー、後頭部に大きな白いリボンを付けているのが特徴的な少女、親友の小日向未来はノートパソコンに向き合いながら、響に声をかけていた。
「そのレポートさえ提出すれば、追試免除なんだからさ」
「んにゃ……」
「だから、寝ちゃダメなんだって」
「寝てないよぉ……起きてるよぉ……。ちょっと目をつぶってるだけ……」
 相変わらず響は机に突っ伏したままだ。
 どうやらレポートを締め括る、最後のまとめに苦戦しているらしい。
 昨日、未来は彼女のレポートに目を通してから、意外にも早く進んでいる上によくまとまっている事に驚かされたばかりだ。
「もう……。珍しくレポートが進んでるからって、調子に乗っちゃって」
「えへへ……」
 最近帰りが遅いのが気になるが、果たして何をしているのだろう。
 何度聞いても、何故か話したがらないのは一体どういうわけなのか。レポートの進み具合が珍しく早い事と関係があるのか。
 不安ではあるものの、未来は敢えて追求しない。親友はいつかきっと、正直に話してくれると信じているからだ。
 
 だから代わりに、未来はノートパソコンを響の方にも向け、見ていた動画を見せた。
「……そうだ。響、この間の約束、覚えてる?」
「約束……。あ、流れ星!」
「そう、しし座流星群。あのね、それがもうすぐ来るんだって」
「本当ッ!?もうすぐ約束、果たせるね未来!」
 そう言うと、響はようやく身体を起こす。
「もう……調子いいんだから。ちゃんとレポートやらなきゃ、追試と重なって見られなくなっちゃうんだからね?」
「う……。よーし、それならさっさと終わらせちゃうぞー!!」
 ようやく響もやる気のスイッチが入ったようで、シャーペンを持ち直すと再びレポートへと向き直った。
「私も手伝うから、ね?」
「ありがとう!一緒見ようね、未来!」
 そう言って笑顔を向ける親友に、未来は微笑みかけるのだった。
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