第1楽章〜覚醒の伴装者〜
第16節「任務の後は美味しいご飯」
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「「はぁー、疲れた……」」
保管施設から本部へと戻って来た翔と響は、休憩スペースのソファーにぐでっと崩れ落ちた。
まだ半日しか経っていないのに、疲労は一日中動き回ったくらい溜まっている。
無理もない。あれだけのノイズから逃げ回り、ハイウェイをその足で全力疾走して、RN式に精神力を削られ、更には2回も死にかけた上にシンフォギアまで纏ったのだ。肉体的疲労よりも、精神的な疲れの方が大きいだろう。
半日の割には随分と濃密なスケジュールを経験した後、翔は了子からメディカルチェックを受けた。
結果が出るのは明日。身体には特に異常が見られないので、この後はそのまま土曜日を楽しむようにと言われた翔は、こうして響と合流したのだった。
「おつかれ、立花」
「翔くんもお疲れ〜」
互いにソファーで崩れている相手の姿を見て、笑い合う。
それだけで、身体から疲れが抜けて行く気がした。
「さて、もう昼飯時だな……。立花、まだ動けるだろ?」
「もっちろん!約束したもんね、ふらわーのお好み焼き!」
「よし!道案内は任せるぞ」
そうやって二人は賑やかに談笑しながら、エレベーターへと向かっていくのだった。
そんな二人の後を付ける、2つの影があった。
片方はサングラスで顔を隠したSAKIMORIこと、風鳴翼その人。
もう一人は諜報部としての仕事ではないため、マネージャーモードで眼鏡をかけているNINJAこと、緒川慎次である。
それぞれ観葉植物と通路の陰に隠れながら、アイドルとマネージャーは二人の様子を伺っていた。
「翼さん、わざわざこっそり後を付けたりなんてしなくても……」
「いいえ緒川さん。これはもはや任務です。可愛い弟が立花とどんな関係なのか、知るには絶好の機会ではないですか!」
「それはそうですが……どうして直接聞かないんですか?」
「それは、その……」
口篭る翼に、緒川は理由を察して口にする。
「可愛い弟を取られちゃいそうで寂しいのに、相手が響さんなのが気まずい……ですか?」
「……やっぱり、緒川さんには敵いませんね」
苦笑する翼に、緒川は微笑みながら返した。
「響さんならきっと、笑って許してくれますよ。それにきっと、彼女も謝りたがっているはずです。いつも通りの風鳴翼として、堂々と接すればいいと思いますよ?」
「いつも通りの私で、ですか……」
「それから、今回ばかりは弟離れしないとダメだと思いますよ。翔くんももう立派な高校生なんですから」
「?っ……。こ、これは別にそういう訳では!」
そうこうしている間に、翔と響はエレベーターに乗ってしまった。
気付いた翼は緒川と共に、別のエレベーターで地上へと向かうのだった。
「おばちゃーん!こんにちわー!」
「
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