第1楽章〜覚醒の伴装者〜
第15節「勇者の称号」
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確かな力を持つ曲だというのは肌で感じていた。
根拠は弦を弾くとその音で、妨害しに近付いてきたノイズが微塵切りになる所だけじゃない。一音一音が風に波紋を作る度、全身が何かに震えるからだ。
無論それは恐怖を初めとしたマイナスな感情ではなく、とても暖かいプラスの感情。
これは……そう、生きる事への喜び。生命への感謝を天へと捧げる天詔琴が奏でる音は、聴く者の心を高揚させるのだと見つけたり。
では、最後まで奏でようか。この心が叫ぶ限り!帰るべき場所へと辿り着く為に!
二人の、全身全霊の思いを込めたこの歌を!!
「「響け!胸の鼓動、未来の先へぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」」
「チッ!今日の所はここで引き上げてやる!覚えとけ、勝ちは預けただけだかんな!!」
翔と立花のいた地点でギガノイズが崩れ落ち、更には強い烈帛音が響き渡り始めて、しばらく経った。
一際大きな烈帛音が鳴り響くのを聞くと、鎧の少女は身を翻して立体道路を飛び降りた。
「待て!まだ決着は!」
「あばよへちゃむくれ!次はその顔、地面に叩きつけてやっからな!」
最後まで挑発的な捨て台詞を残し、鎧の少女は撤退して行った。
追いかけようと側壁に登ったが、既に少女は雲隠れしてしまっていた。
「ネフシュタンの鎧を着た少女……一体何者なのだ……」
深追いするのを諦め振り返ると、烈帛音は止んでいた。
まさかとは思うが、立花があのノイズ達を……?
いや待て、逆の可能性だって……その割には妙に静かだ。それに、先程まで立花の歌も聞こえていた。
何にせよ、まずは現場を確かめなくては……翔、立花、無事でいてくれ!
「翔!立花!無事か!!」
と、全速力で角を曲がり駆け付けた私の目に入って来たのは……。
「「イエーイ!!」」
見た事も無い新たなシンフォギアを纏う弟と、辺り一面に散らばる炭の山。
そして、満面の笑顔で弟と2人ハイタッチを交わす立花の姿だった。
「やったね翔くん!私達勝ったよ!」
「ああ、よくやった立花!君のお陰だ」
「ううん、翔くんが助けてくれたから、私も頑張れたんだよ。ありがとう」
「そ、そう言われると……なんだか照れ臭いな」
あまりにも多過ぎる情報量に頭が追いつかず、私の中に困惑が訪れる。
何がどうなってこうなっている!?何故、翔がシンフォギアを?どうやってあの数のノイズを?
それに何より……お前達2人、前から思っていたが距離が近くないか!?
「……これは一体……」
「あ、姉さん!」
「翼さん!見てくださいよこれ!このノイズ、実は私達が……」
「これは一体どういうことなんだ!?誰か……説明してくれぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」
「ね、姉さーーーーん!?」
「つ、翼さーーーーん!?」
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