第1楽章〜覚醒の伴装者〜
第15節「勇者の称号」
[3/6]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
れ以上に喜ばしい事があるだろうか?
であればこの喜び、表さない他に手はない筈だ。
浮かんだイメージの最後の1つ、恐らく最もシンフォギアに向いている形態のアームドギアを起動させた。
「どうなっているのだ!?」
ヘリから翔の戦いを見守る弦十郎は、翔のアームドギアが三種類の形状へと変化する事に驚いていた。本部の2人もまた、映像と音声を頼りに状況を整理する。
『最初は弓、次は剣、そして今度は弦楽器……』
『もしかして、翔くんが纏っているシンフォギアには生弓矢だけじゃなくて、生太刀と天詔琴の力も宿しているんじゃないでしょうか!?』
「三つの聖遺物の力を宿しているだとぉ!?しかし、そんな事が……」
『それがどうも違うみたいよん?』
「了子くん?違う、とは一体……?」
了子からの通信が割り込み、弦十郎は疑問符を浮かべて彼女に問いかける。
『それがね、そもそも私達の認識が間違ってるみたいなのよ』
「どういうことだ?」
『出雲三種の神器は三位一体とは伝わっているけれど、それぞれ1つずつだなんて記述はどこにもないわ』
『それってまさか、遺跡から生太刀と天詔琴が発見されなかったのは……』
友里の言葉を次ぐように、了子はハッキリと宣言した。
『1つで聖遺物3つ分の機能を有する、可変型聖遺物。それがあの三種の神器の正体よ』
「1つで3つ分の聖遺物……だと……!?」
死者をも甦らせる弓矢と、生命の力を司る剣。そして神への祈りを捧げる琴。それらが元々は、1つの聖遺物だった。
弦十郎の一言は、その場にいる誰もの言葉を代弁していた。
「鳴り響け、天詔琴!」
先程、手甲の中へと収納されたアームドギアが左腕に出現する。
弓束の部分を上に向け、弓状態で使用していた時とは逆さに持って顎を乗せる。今度は枠の色が黄色に変わった。
琴という名前だが、どちらかと言えば電子バイオリン「MULTI」に近い形状をしているのは、俺の心象が影響しているのだろうか?
まあ、バイオリンも日本に伝わった頃は提琴と呼ばれていたらしいから、間違ってはいないと思うのだが。
「それでは1曲、ご傾聴」
2本の剣を合わせると一瞬で可変し、一本の細長い弓へと形を変える。戦場にて装者の歌を伴奏する俺は、さしずめ伴奏者ならぬ"伴装者"といったところだろう。
鎮魂歌の演目は、そうだな……では、今背中を預ける太陽の如き少女の歌を、この手で盛り上げると致そうか。
指を弦に添え、弓を構えて弦へと触れさせる。雑音を消し去り誰かを救う、災厄への|鎮魂歌
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ