暁 〜小説投稿サイト〜
戦姫絶唱シンフォギア〜響き交わる伴装者〜
第1楽章〜覚醒の伴装者〜
第15節「勇者の称号」
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……。
 両手の中に宿った光は、やがて形を得て実体化した。

 この手に出現した武器は、身の丈近くの大きさを誇る大弓だった。
 弓束(ゆづか)を握った瞬間、灰色の縁取りが青く変化し、右手には光をそのまま矢の形にしたようなエネルギー体が出現した。
 ギガノイズの頭部のド真ん中へと狙いを定め、弓に矢をつがえる。
 弦が張り詰め、矢を的へと飛ばすのに必要な力が集まる瞬間に右手を離した。
 ヒュッ、という風を縫う音の直後、ギガノイズの頭部が吹き飛ぶ。吹き飛んだ頭部から順にその巨体は炭化し、崩れ始めた。
「ギガノイズを一撃か。荒魂を鎮めたその力、伊達じゃないらしいな!」
 そのまますぐ近くに居たノイズを次の的を定め、矢を放つ。
 一体、また一体。正確に的を射抜き、一体を貫けばその後方の何体かが連鎖するように貫かれる。
 どこまでも真っ直ぐに、その矢は飛んで行った。
「だが、まどろっこしい!並んだ敵を一掃出来る貫通力は確かに強いけど、近場の雑魚相手にする時に使う武器じゃないな!」
 引っ込めて再び格闘戦に持ち込むかと迷った瞬間、脳裏に何かのイメージが浮かぶ。
 弓とは違う、二つの器物。共に語られし三位一体の聖遺物。その真の姿を、胸の鏃は示していた。
「まさか……!?」
 弓束を確認すると、人差し指部分にトリガーが存在する。
 脳裏に浮かんだイメージを信じ、トリガーを引くと弓を構成する上下2つのブレードパーツが分割され、2本の剣へと変わった。
 残った大弓のパーツはそのまま光に戻り、手甲の中へと戻っていく。
「次はこいつだ!()()()!」
 柄を握った瞬間、縁取りを赤く変色させた2本の剣を構え、ヒューマノイドノイズを斬り伏せる。
 姉さんのアームドギアと比べて半分ほどの長さの剣が2本。次々とノイズを屠っては、空間に鮮やかな赤い軌跡を描いていく。
 しかし、ここまでやってもまだノイズは残っていた。ギガノイズめ、雑魚を残せるだけ残していきやがって……。

「翔くん!危ない!」
「ッ!?」
 背後に迫るクロールノイズ。振り返ろうとした瞬間、飛び込んで来たのはオレンジ色の弾丸。
 咄嗟に飛び出した立花が、クロールノイズを殴り飛ばしていた。
「大丈夫!?」
「……ちょうど猫の手でも借りたいと思っていた所だ。立花、手を貸してくれるか?」
 そう言うと、立花は軽く笑って答えた。
「もちろん!私の手で誰かを助けられるなら、いくらでも!」
「なら、遠慮なく借りるとしよう。背中は任せるぞ!」
「じゃあ翔くんも、私の背中をよろしくね!」
 互いに背を向け合い、目の前の敵だけを見据える。
 伸ばした手を取るだけじゃなくて、今度は互いに手を貸せる……か。
 どうやら、俺の手はようやく彼女に届いたらしい。こ
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