第1楽章〜覚醒の伴装者〜
第15節「勇者の称号」
[1/6]
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
「まさか、本当に成功するなんてな……」
自分の身体に装着された装束を見ながら、翔はそう言った。
胸に突き刺した生弓矢は、彼の予想通りの結果を発現した。いや、予想はしていたが成功するかは五分五分だった、と言うべきか。
自らの五体と、胸に浮き上がった赤いクリスタル。そして、身体に漲る力から、翔は確信する。
自分は今、このRN式回天特機装束……シンフォギアtype-Pの装者になったのだと。
それが分かれば、やる事は一つだ。
周囲を見回し、再びこちらを向いて迫るノイズ達を見据えると、彼は構える。
今度は彼が、へたり込んだ立花響を庇う側としてそこに立っていた。
「立花、下がっていろ。今度は俺が戦う」
「う、うん」
力強く拳を握ると、翔は眼前のノイズへと向けて拳を真っ直ぐに突き出した。
「ハッ!!」
拳が当たった瞬間、ノイズの身体が土人形のように崩れ落ちる。
先程までのRN式とは、威力が桁違いだった。拳ひとつでノイズを粉砕する力、それは紛れもなくFG式回天特機装束……現行のシンフォギアと大差がない。
「フッ!セイッ!」
続けて右から迫って来たヒューマノイドノイズに左拳を突き出し、反対側から迫るクロールノイズにはそのまま肘鉄を食らわせる。
キュルルピッ!キュピッ!
頭上からの鳴き声と風を切る音に顔を上げると、鳥型個体が数体、狙いを定めているところだった。
「空か……。さて、どうするか……」
跳躍して叩き落とす……いや、それでは効率が悪い上に背後からの奇襲を避けられない。
ならば地上から何かを投擲して落とす……位相差障壁に阻まれるな。
せめて飛び道具でもあれば……。そう考えた刹那、両腕に力が集まる感覚があった。
両腕を見ると、腕を覆う手甲の側面には小型の刃のような突起物。
手甲に意識を集中させると、その刃は熱く輝き始めた。
「これを……ハァッ!!」
両手で手刀の構えを取り、それぞれ交互に横へ払う。
刃は空を切り、三日月形の光の刃がフライトノイズへと向けて放たれた。
フライトノイズらは光の刃によって真っ二つに切断され、消滅した。
「なるほど、こいつはこう使うのか」
そのまま数回、同じ動作を何度も続ける。
光の刃は次々とフライトノイズを切り裂き、あっという間に全滅させた。
キュピ!キュルルキュピッ!
だが、ギガノイズが更にノイズを追加する。さっきのノイズ達もまだ片付いていないのに、ここで追加しやがって!
「なら、こっちもアームドギアで対抗してやるさ!」
両腕から、こんどは両手の掌に力を集中させる。
使用者の心象が聖遺物に反映された武器、それがアームドギアだ。
果たして俺の心象は、生弓矢をどんな武器へとアレンジするのか
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ