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曇天に哭く修羅
第一部
刻印
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ックセブン】』


この地球上で彼等七人を知らない人間の方が遥かに少ないとされ、宗教や文化、地域を問わず、尊敬の対象となっている偉大な魔術師達。


『彼等が日本の[東京]で《ナイアー=ラトテップ》と激突し、その結果として昨年までは『史上最強』と言われていた《神代蘇芳(かみしろすおう)》を除くマジェスティックセブンの6人を犠牲に最後の【旧支配者(オールドワン)】が封印されました」


当時10才に満たなかった蘇芳は後に魔神となり、『全世界の魔術師の頂点』と言われるまでに成長したが、昨年に現れた学生魔術師によって遺体も残すこと無く消滅させられてしまう。

その最期は最高の歓喜に満ちていた。


『世界は救われ人類が勝利したと思われた時、如何(いか)なる力によってかナイアー=ラトテップは謎の[黒い粒子]を世界中に放ったのです。それは特定の地域を覆い尽くし、今日(こんにち)まで続く無明都市が生まれることになりました』


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


テレビの画面は【無明都市/ロストワールド】を上から撮影した映像に切り替わり、闇色をした半円球状のドームを映し出す。

中がどうなっているかは不明。


『無明都市は世界に千個が生まれました。日本は東京が丸ごと闇の世界と化したのですが、昨年に現れた新しい四人の魔神によって無明都市が解放されているので世界に現存するのは999個になっています』

しかし解放された東京は【聖域】と化す。

聖域は旧支配者などの【上位存在】や魔獣とは似て非なる者達の棲み家となった。

聖域に現れた【精霊】は東京に結界を張って外界と隔離しておりこう告げている。


「我々は人類と敵対するつもりは無い。しかしこの東京という地から追い出し排除しようと言うのならば全力を持って抗うことになる。その代わり東京の在る日本に何か有れば協力させてもらうぞ」


そう言って人間が一人も居ない東京に無数の精霊が棲み付いてしまった。

精霊を排除しようにも結界を通れるのは限られた存在のみであり、精霊の中には上位存在クラスの強さを持つ者が多く居たので手が出せない。

日本政府は仕方なく全ての権限を放棄して、東京が日本の領土でない状態とする。

精霊の条件を受け入れた格好だ。


『無明都市が形成されて(のち)、人類を導く上位存在の【古代旧神/エルダーワン】は【古神旧印/エルダーサイン】というものを魔術師に与えたのです』


それは次のようなもの。
 
魔術師の左手の甲が画面に映った。

そこには一つの[五芒星/ペンタグラム]と、それを取り囲むように配置された一つの[五角形/ペンタゴン]によって構成された10本の線で描かれる模様。

普段は目を
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