第1楽章〜覚醒の伴装者〜
第14節「生命(ちから)宿す欠片の導き」
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検知!』
『これは……アウフヴァッヘン波形!?ネフシュタンの反応に続き、新たな聖遺物の反応です!』
「なんだとぉ!?」
困惑するオペレーター達に、弦十郎も驚きの余りヘリから身を乗り出す。
翼の前に現れたネフシュタンの鎧の少女。今すぐにでも出向きたいが、作戦行動中に指揮官が動くわけにはいかず、空から静観するしかなかった弦十郎。
手間取っている翼に痺れを切らし、もはや出撃もやむなしかと思っていたその矢先だった。
翔と響を襲っているギガノイズの足元から、強烈な光が迸ったのだ。
弦十郎だけではない。戦っていた翼と鎧の少女も、その光に目を奪われる。
「なんだ……あの光は!?」
「んだよアレ、あたしは何も聞いてないぞ!?」
その場にいる者全てが困惑する中、本部のモニターに表示された照合結果に、弦十郎は再び驚きの声を上げた。
「生弓矢、だとぉ!?」
「聖遺物、生弓矢。それは生命を司り、地に眠る死人さえ黄泉帰らせる力を持つ聖遺物……」
その女は、誰にともなくそう呟いた。
一人ビルの上に立ち、眼下の光景を傍観する彼女の金髪が風に揺れる。
サングラスの下の彼女の表情を知るものは、誰もいない。
ただ、女は目の前の喧騒をただ笑って観測するのみである。
「奪った後で、米国政府との交渉材料にするつもりだったけど……やっぱり、何が起きるか分からないものね。まさか、こんな予想外の結果をもたらすなんて」
女の見つめる先。迸る光の中で、その予想外そのものである彼は生まれ変わる。
女は卵が孵るのを待つように、ただその光景を見守り続けていた。
「翔、くん……?」
あまりにも一瞬の出来事に、何があったのか理解が追いつかず、思わず固まってしまった。
目の前に広がる青白い光がゆっくりと弱まり、やがて一つの人影が姿を現した。
ついさっき、私を庇ってノイズに殺されるはずだった人。
その直後、自分の胸に鏃を突き刺したはずの男の子。
人影は自らの死因になるはずだったノイズを一撃の拳で粉砕し、こちらを振り返った。
「立花……大丈夫か?」
差し伸べられた手には、私や翼さんと同じ黒いグローブ。
向けられた表情はとても優しげで、その声からも私の事を気遣ってくれているのが伝わった。
さっきと変わったのは、彼の全身を覆う装束……私や翼さんのものと少し似たそれが彼の身体を包んでいた。
両耳にはヘッドフォンのようなパーツ。両腕や両脚、身体全体を包み込むように……あるいは、まるで内側から溢れ出しそうな何かを抑え込むように、装束の上からは陽光に鈍く光る灰色の鎧が全身を覆っている。
胸の中心には、まるで下向きにした弓のような形をしたクリスタルが、透き通る様な赤を放っていた。
聞き
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