第1楽章〜覚醒の伴装者〜
第14節「生命(ちから)宿す欠片の導き」
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策を考えるけど、人が足りない。せめてあと一人必要になる。
せめて俺がシンフォギア装者であれば……。そう思いたくなるくらいに、この状況は詰んでいた。
左手に握り締めた生弓矢を見る。聖遺物は何も語らない。ただ、朽ちかけたその身を晒すのみだ。
「俺の歌でも起動するならいくらでも歌ってやる……。だから、頼む……この状況を打開する方法を……」
「あ……」
その耳に聞こえてきたのは、絶望の色を含んだ一言だった。
咄嗟に立花の方を見ると、その目の前には両手がアイロン状ではなく、刃の形をしたヒューマノイドノイズが立っていた。
既にその手は振り上げられており、次の瞬間にはギロチンのように振り下ろされるだろう。
立花はもう体力が限界を迎えている。へたり込みながら、その口から出た言葉に絶望が混じっているのは、避けられない事を実感したから。
背中越しだから見えないが、今の彼女の表情はこれまでに見たことも無いほど、絶望の色に染まっていっているのを感じた。
その姿が、2年前のあの日と重なる。
あの時、俺は立花に手を伸ばすことが出来なかった。
掴めたはずの手を取る事が出来ず、以来ずっと後悔し続けてきた。
あの日をやり直せたならどんなにいいか。そう願っては何度も自分を責め続けたあの頃は、俺の心を蝕み続けた闇そのものだと言える。
でも、今の俺は──あの日の弱い僕じゃない!
次の瞬間、立花の前に躍り出ると俺は迷わず彼女を庇った。
「翔くん!!」
両腕を広げて彼女を庇った俺の肩から、刃は袈裟懸けに振り降ろされた。
その箇所から俺の体は炭になり始める。こうなる事は分かっていたはずなのに、俺は迷わず飛び出していたのだ。
……時間が、ゆっくりと流れていく。今だけスローモーションになったかのようだ。
切り口から感覚が消え、それが広がっていく。自分の体が炭にされる感触って、意外と痛くはないんだなと何故か納得して苦笑いする。
あーあ。RN式、結局あんまり役に立たなかったな……。
左腕に嵌められたブレスレットに目をやると、それは相変わらず鈍く輝くだけだった。
こういうのは土壇場で一番活躍してくれないと……なんて、映画の見すぎだと言われても仕方が無いことを思う。
再展開の見込みは五分五分。命を賭けるにしては不十分だと分かっていたのに、俺はどうして立花を庇う事が出来たのだろうか?
ふと浮かんだ疑問への答えは、意外とあっさり出た。
ああ、なんだ。そんなもの、愚問でしかないじゃないか。
これは罪滅ぼしでも、後
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