第1楽章〜覚醒の伴装者〜
第14節「生命(ちから)宿す欠片の導き」
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「翔くん!大丈夫!?」
「たち……ばな……」
着地すると、慌てて翔くんの傍へと駆け寄る。
翔くんはひどくグッタリとした状態で、もう一歩も動けない様子だった。
それでも手にはしっかりと、生弓矢の鏃を握り締めている。
もう、本当に真面目なんだから……。
「翔くん、逃げるよ!ほら、しっかり掴まって!」
「立花……すまない……。って、ちょ、おい!?」
動けない翔くんを両腕で抱え上げる。
普段の私じゃ出来ないだろうけど、シンフォギアで強化された筋力のお陰か、私より背の高い男の子の翔くんは軽々と持ち上がった。
ただ……仕方がないとはいえ、構図がちょっと……。
「ごめん翔くん!でも今はちょっと我慢して!」
「し、仕方ない……。女の子にお姫様抱っこされるとか生き恥でしかないんだが、今はそれどころじゃないからな……。走れ、立花!」
「ホンットごめん!じゃあ、走るよ!」
そのまま地面を思いっきり蹴って走り出した直後、背後でノイズが起き上がる音がした。
私の力じゃ、あのノイズには敵わない。でも、翼さんが来てくれるまでの間、翔くんを守って逃げ切る事は出来る!!
『翼!立花が翔を連れて走っているが、ギガノイズが2人に迫っている!すぐにそちらへ向かえ!』
司令からの通信に、私は目を見開く。
「あの二人に強襲型が!?くっ……邪魔だッ!!」
これで何十匹のノイズを斬り捨てただろう。ようやく全て片付けられると思った所で、立花の方にいたノイズの群れが融合した。
……私の責任だ。私がこいつらを相手取るのに時間を浪費したが故に、このような事態に……!
「友里さん!あと何匹の反応が残っているのですか!?」
「ノイズ総数、残り30!」
「疾く失せろ!一掃する!」
振るい続けた一振りの刀を、身の丈の倍はあろう大剣へと変形させ跳躍する。
〈蒼ノ一閃〉
蒼き残月の如き一太刀が地を割り、残るノイズを纏めて殲滅した。
刀を元の形に戻すと、着地し、そのまま走り出す。
バイクがないのが不便だが、仕方あるまい。車よりもシンフォギアで高められた脚力で走った方が今は間に合う!
「もう二度と……喪ってなるものか!」
何より大事な弟と、奏が救った命だ。私が必ず守りきる!
「了子くん!聞こえているか!?」
ヘリで地上を見下ろしながら、弦十郎は端末へと必死に呼びかける。
「了子くん!了子くん!」
『ハ〜イ、弦十郎く〜ん?どうしたのん、そんなに慌てちゃって〜』
ようやく繋がった端末から、櫻井了子が軽い調子の声で答える。
無事だった事に安堵の溜め息を零しながら、弦十郎は了子に問いかける。
「了子くん!大丈夫か!?」
『ごめんごめん。プラン通り、RN式は展開時間が
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