第1楽章〜覚醒の伴装者〜
第13節「強襲-アサルティング-」
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含めた3人で遊んだ日の事。
厳しくて不器用だった父さん。優しくて頼りになった叔父さん。
マイペースだけど、話してて楽しかった了子さん。
よくボヤいてるけど、仕事を卒無くこなす姿がかっこよかった藤尭さん。
いつも温かいコーヒーを、適温で用意してくれた友里さん。
将来の夢を笑って語り合い、この一年近くを共に過ごした親友、純。
皆との思い出が次々と、一瞬の内に駆け抜けて行った。
そして最後に……あの日、俯いていた少女の手をようやく握る事が出来た瞬間の光景が、ひときわ輝きを放つ。
立花、響……君にもう一度出会えた事を、心の底から天に感謝してる。
赦してくれて、ありがとう。お陰でようやく安心することが出来た。
ヒーローだって言ってくれて、ありがとう。その一言で、ようやく報われた。
素直に泣かせてくれて、ありがとう。君の涙を見られた事が、ようやく君の手を掴めたんだと実感させてくれた。
そしてなにより、眩しいくらいの輝きを放つ、心からの笑顔をありがとう……。
ごめん、立花……。お好み焼き食べるって約束したけど、僕はもうダメみたいだ……。
死神の足音はすぐそこまで迫っている。身体はRN式の副作用による疲労で、もう動かない。
僕の精神力じゃ、結局3分止まりかぁ……。でも、街を破壊する大怪獣から地球を守ることは出来るくらいの時間は持ったんだ。
充分保った方なんじゃないかな……。
「でも……まだ……もっと、沢山……生きて、いたかった……」
「翔くん!!」
声が聞こえる。
僕の名前を呼ぶ力強い声が。
耳を打つだけで、僕に希望をくれる──
俺の原点を司る、太陽の如き少女の叫ぶ声が。
「生きるのを諦めないで!!」
その声と、直後に響き渡る打撃音に目を開くと……。
目の前には頭頂部を思いっきりぶん殴られ、バランスを崩してよろけるギガノイズ。
そして、空高く跳躍した勢いを全て右腕に乗せて、ありったけの力で拳を叩き込み……こちらへと顔を向ける、立花の姿があった。
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