第1楽章〜覚醒の伴装者〜
番外記録(メモリア)・夕陽に染まる教室
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けるのは清掃委員の仕事だ。じゃ、気を付けて」
そのまま翔は足早に教室を出て行った。
「まったく……僕はなんて馬鹿なんだ……」
これを機に彼女の前に立てればと勇気を出したのに、無意識に彼女を傷付けかけた。そんな自分が、どうして彼女を庇えるのだろうか。
生来、自己肯定感が強くなかった彼は自分の不用意さに、より一層自信を無くしてしまった。
バケツを用具入れに仕舞い、雑誌を資源ゴミ置き場に置いて彼は帰宅する。
翌日、響の鞄にコンパスの針で罵詈雑言が刻まれたと知り、より一層自分を責める事になるとは知らずに……。
──この時の翔は、自らの不用意さを呪った。良かれと思っての行動が、余計に彼女を傷付けることを恐れた。
しかし彼はいつか、あの言葉の裏に押し込められた彼女の弱さを、この時と同じ言葉で吐き出させる事になる。
その日まで、二人の心はすれ違ったままで……。
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