暁 〜小説投稿サイト〜
戦姫絶唱シンフォギア〜響き交わる伴装者〜
第1楽章〜覚醒の伴装者〜
第6節「前奏曲(プレリュード)は突然に……」
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「あの!翼さんの弟さんって、もしかして君の事だよね?」
 
「ッ!?な……」
何で……立花がここに?
俺は困惑し、そして理解した。了子さんに見事に嵌められたのだと。
直接会って話しなさい。ここが男の見せ所よ〜、と笑ってる姿が脳裏に浮かぶ。
しかし、この反応は初対面のような……立花はやはり、俺の事など覚えていないのだろうか?
「あっ、ごめん!驚かせちゃった?」
「い、いや……」
立花がこちらの動揺に気付く。不味いぞ、このままだと俺が思ってる以上に気まずくなる。
なんとか会話を成り立たせようと考えるが、出てきたのは堅い言葉だった。
「立花……響、だよな?」
堅い!ガッチガチじゃねぇか!今ので絶対堅苦しいやつだって認識された……ああ、自分で余計に気まずい空気を……。
 
「はい!立花響、15歳です!」
「……へ?」
その一言で、俺の緊張があっという間に緩んだ。
おい立花、今なんと?
「誕生日は9月の13日で、血液型はO型。身長はこの間の測定では157cm!体重は乙女の秘密なので言えません!趣味は人助けで、好きなものはご飯&ご飯!」
えっ、何この自己紹介。滅茶苦茶自分のプロフィール出してくるじゃん。
ってか立花の知らなかった情報がめっちゃあるんだけど!?待って、覚えるつもりもないのに記憶に焼き付いてくのどうにかしてくれない!?
「あ、あと、彼氏いない歴は年齢と同じッ!」
「……プッ」
「へ?」
「アッハッハッハッハッ、ちょ、ちょっと待って、今のちょっとっブフッ!フフハッハッハッハッハ!!」
「な、なんで笑ってるんですか?」
何がおかしかったんだろう、と言いたげな顔でこちらを見つめる立花。
いや、こんなに面白い自己紹介聞かされたら、さっきまでうだうだと悩んでいた自分が馬鹿らしくなってくるじゃないか!
「いや、悪い悪い。でも流石に今のを笑わずに聞ける奴はそうそういないだろう!」
「あはは〜。でも、さっきよりは明るい顔になりましたね」
 
そう言われてハッとした。
気が付けば、とっくに緊張は解れていた。
さっきまで俺の心を曇らせていた迷いも、既に吹き飛んでいる。
立花は、俺の胸中を知るまでもないだろう。だが、俺が緊張でガチガチになっている事に気付き、咄嗟にこんな突拍子もない自己紹介で俺を笑わせる事を思い浮かぶなんて……。よく人を見ている子なんだな、と実感した。
 
「さて……先に名乗られたからには、此方も名乗らなくては風鳴の名が廃るな」
ソファーから立ち上がると、俺は先程の立花の自己紹介を振り返りながら言った。
「風鳴翔、16歳。誕生日は7月の5日で、血液型はA型。身長は168cmで、体重62.1kgだ。至って平均的だな。趣味は映画鑑賞、主に特撮映画が好きだ。そして好きな物はもちろん、三度の飯!」
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