暁 〜小説投稿サイト〜
戦姫絶唱シンフォギア〜響き交わる伴装者〜
第1楽章〜覚醒の伴装者〜
第5節「不協和音な剣と拳」
[1/4]

[8]前話 前書き [1] 最後 [2]次話
 ノイズに埋め尽くされた現場。幸い、避難は既に完了しており、被害者は出ていないらしい。
『翼!響くんの到着を待って……』
 叔父さm……司令が立花の到着を待つように指示を出す。おそらく、今後に備えての連携を意識しろ、という意図があるのだろう。
 だが、私にその必要は無い。
「いえ。この程度、私一人で充分です!」
 奏が居なくなってしまった穴は、私一人で埋めればいい。
 素人である立花の力など借りずとも、私一人で戦ってみせる!
 アームドギアを構え、ノイズの群れまで突き進む。
 刃を一振り、目の前のノイズが包丁を当てられたトマトのように真っ二つになり、炭となって消滅する。
 こちらへと迫る二体は纏めて一閃。背後より飛来するもう一体は、身を逸らしながら刃を突き出す事でそのまま切断する。
 ある程度ノイズの数が減った所でそのまま跳躍し、アームドギアを巨大な刃へと可変させる。
 蒼ノ一閃。放たれた青き斬撃が、並み居るノイズらを纏めて残らず斬り伏せた。
 
 僅か五分足らず。私一人でも充分にやっていける……自分の腕を確かめ終えたその直後、土煙の向こうから人影が現れた。
「翼さーん!!」
 言うまでもない。奏のガングニールを纏った立花だ。だが、お前の出る幕はない。既に私が終わらせた。
「任務完了、これより帰投します」
「翼さん……?」
 立花が何か言いたげに声をかけて来るが、私がそれに応える義理はない。
 任務は終わった。ならば私は、後処理を一課に任せて戻るだけだ。
 
 背を向けそのまま歩き去って行く私の背中を、立花がどんな表情で見送っていたのかを、私は知らない。
 それどころかこの頃の私は、本部から私と立花を見守り、心配して気を揉んでいる可愛い弟の存在を、雀の嘴ほども知らなかったのだ。
 
 
 
「……やれやれ。こりゃダメだな」
 立花を仲間だと認識していない上に、掘り返された奏さんへの思いから、戦いを一人で全部抱え込もうとしている姉さん。
 うっかり地雷踏んでしまった事を謝りたいけど、姉さんが必要最低限の言葉も交わさずに去ってしまうから中々踏み出せない立花。
 ギスギスしてんなぁ……。これじゃチームとはとても呼べない。
 なんとか緩衝材になってやれればいいんだけど……。
「う〜ん……でも、防人根性で動いてる時の姉さんが話聞いてくれるの、奏さんくらいだしなぁ……」
 司令である叔父さんから連携するように言われても、無視を決め込んでノイズを殲滅しに行くし……。
 こうなるとアプローチをかけるのは、まず立花の方からにするべきなんだろうけど……うっ、気まずい……。
「むむ……どうすればいいんだ……」
 
「なるほど〜、コンソールルームを盗聴するなんて、ヘタレな翔くんの割には大胆な事するじゃな〜い」
[8]前話 前書き [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ