暁 〜小説投稿サイト〜
戦姫絶唱シンフォギア〜響き交わる伴装者〜
第1楽章〜覚醒の伴装者〜
第4節「臆病者の烙印」
[5/5]

[8]前話 [9] 最初 [1]後書き [2]次話
って子供の事を思って怒ることが出来、いつだって子供にやりたい事がある時は全力で支えてくれる、大人の漢の顔だ。
 その上、厳しい事を言いながらも、結局俺の頼みを完全に断っている訳じゃないのがズルい。多分、一週間くらい経って頭冷やしたら、今度は迎え入れてくれるつもりだろう。
 ……こんな人だから俺は、叔父さんを心から尊敬しているんだ。
「分かりました……しばらく、頭を冷やします」
「なら、次に来る時は……」
 
 ヴゥゥゥゥ!ヴゥゥゥゥ!
 
 その時警報が鳴り渡り、赤いサイレンが鳴る。
 オペレーターさん達の表情が引き締まり、モニターには何ヶ所かが赤く点滅したこの街のマップが表示される。
「ノイズ出現!」
「場所は!?」
 ノイズの出現地点を聞き、叔父さんは端末を二人の適合者へと繋ぐ。
 そう。姉さんと立花、この国をノイズから守っている二人の"奏者"に。
「翼!響くん!ノイズが現れた!大至急、現場へ急行してくれ!」
「それじゃ、俺は邪魔にならないように出てますよ」
 端末を手に取る二人の顔がモニターに映ると共に、俺はコンソールルームを退出した。
 
 背後で扉が閉じる音がした瞬間、ポケットから端末を取り出しながら、職員の休憩スペースへと向かう。
 休憩スペースに座ると、周囲に誰も居ないことを確認して端末を耳に当てた。
 
『周辺住民の避難、完了しました!』
『翼さん、現場に到着!これより戦闘に入ります!』
 先に現場に到着したのは姉さんらしい。
 流石は先輩、と言ったところだろうか。
『翼!響くんの到着を待って……』
『いえ。この程度、私一人で充分です!』
 叔父さんからの指令を無視し、単独で戦闘を始めたようだ……やれやれ、本当に姉さんは意地っ張りというか、ストイックが過ぎるというか……。
 
 え?俺が今何をしているかって?
 叔父さんがモニターの方を向いてる間に、植え込みの陰にスマホを隠して、そこから拾った音を端末から聞いてるだけさ。
 つまり……盗聴だよ。
[8]前話 [9] 最初 [1]後書き [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ