第1楽章〜覚醒の伴装者〜
第4節「臆病者の烙印」
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って子供の事を思って怒ることが出来、いつだって子供にやりたい事がある時は全力で支えてくれる、大人の漢の顔だ。
その上、厳しい事を言いながらも、結局俺の頼みを完全に断っている訳じゃないのがズルい。多分、一週間くらい経って頭冷やしたら、今度は迎え入れてくれるつもりだろう。
……こんな人だから俺は、叔父さんを心から尊敬しているんだ。
「分かりました……しばらく、頭を冷やします」
「なら、次に来る時は……」
ヴゥゥゥゥ!ヴゥゥゥゥ!
その時警報が鳴り渡り、赤いサイレンが鳴る。
オペレーターさん達の表情が引き締まり、モニターには何ヶ所かが赤く点滅したこの街のマップが表示される。
「ノイズ出現!」
「場所は!?」
ノイズの出現地点を聞き、叔父さんは端末を二人の適合者へと繋ぐ。
そう。姉さんと立花、この国をノイズから守っている二人の"奏者"に。
「翼!響くん!ノイズが現れた!大至急、現場へ急行してくれ!」
「それじゃ、俺は邪魔にならないように出てますよ」
端末を手に取る二人の顔がモニターに映ると共に、俺はコンソールルームを退出した。
背後で扉が閉じる音がした瞬間、ポケットから端末を取り出しながら、職員の休憩スペースへと向かう。
休憩スペースに座ると、周囲に誰も居ないことを確認して端末を耳に当てた。
『周辺住民の避難、完了しました!』
『翼さん、現場に到着!これより戦闘に入ります!』
先に現場に到着したのは姉さんらしい。
流石は先輩、と言ったところだろうか。
『翼!響くんの到着を待って……』
『いえ。この程度、私一人で充分です!』
叔父さんからの指令を無視し、単独で戦闘を始めたようだ……やれやれ、本当に姉さんは意地っ張りというか、ストイックが過ぎるというか……。
え?俺が今何をしているかって?
叔父さんがモニターの方を向いてる間に、植え込みの陰にスマホを隠して、そこから拾った音を端末から聞いてるだけさ。
つまり……盗聴だよ。
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