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戦姫絶唱シンフォギア〜響き交わる伴装者〜
第1楽章〜覚醒の伴装者〜
第4節「臆病者の烙印」
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の日の放課後まで、俺は立花に声さえかける事が出来なかった。
 こんな俺はどうしようもなく卑怯者で、偽善者で、そして世界一の臆病者だ。
 だからきっと、あの日の汚名は、手を伸ばせる所にある命を救う事でしか雪ぐ事はできない。
 そして、もう二度と会う事など無いものと思っていた立花に、こうして再び巡り会えたのだ。
 それなら、俺が今度こそ為さなければならない事は……。
 
 
 
「つまり……お前は昔、響くんを救えなかった罪滅ぼしとして、この特異災害対策機動部二課の一員となり、彼女を支えたいと?」
「支えたいんじゃない。守りたいんだ!シンフォギアさえあれば、奏さんみたいにLiNKERでもなんでも使って戦場に立ちたいんだよ!」
 奏さんは、適性こそあったものの、適合率の低さから装者にはなれないはずだった。
 しかし、副作用と引き換えに適合率を跳ね上げ、後天的適合者を生み出す薬品、"LiNKER"の実験台となり、死ぬほどの苦しみに耐え抜いて装者の資格を勝ち取った。
 俺に適性があるかはともかく、チャンスがあるなら俺は迷わずその道を選ぶ。
 ……もっとも、シンフォギアは姉さんと立花、二人の分しかない上に、どうやら生物学上の問題で、シンフォギアは男性では纏えないらしい。だから正直な話、今のは勢いで言ったに過ぎない。本当はそうしたいという、俺の願いに他ならない。
「お前……本気で言ってるのか?」
「ああ、本気だとも!これまでの人生で一番の本気だ!たとえシンフォギア奏者になれなくたって、この身一つで姉さんと立花を守れるなら、この命惜しくは……」
「この大馬鹿者!!」
 叔父さんの怒鳴り声に、肩が跳ね上がる。
 それは、叔父さんが本気で怒っている時の声だった。
 何故怒っているのか、それに思い至る前に叔父さんは続ける。
「罪滅ぼしで命を賭けようなどと、この俺が許すと思うか!」
「っ!そ、それは……」
「お前の覚悟はよく分かった。だが、他人の命を守る為に自分の命を粗末にする。そんなあべこべな考えで臨むのなら、俺はお前の主張を認めるわけにはいかん!」
 叔父さんに言われて気が付いた。
 そうだ……俺は何を焦っていたのか。確かに、姉さんと立花を守る為に俺が命を散らしてしまえば、二人を悲しませる事になる。
 姉さんは今度こそ独りぼっちになってしまうし、立花の心に深い爪痕を残す事になるのは確実だろう。
 そんな事にも思い至らなかったなんて……俺も姉さんの事、とやかく言えないじゃないか。
 
「とにかく、だ。お前がその考えを改めるまでは、どれだけ志が高かろうと、お前を二課に入れるわけにはいかん!……分かってくれるよな?」
 先程までとは一転して、叔父さんの眉間から皺が消える。
 いつもの優しい、弦十郎叔父さんの顔だ。
 いつだ
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