第1楽章〜覚醒の伴装者〜
第4節「臆病者の烙印」
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「俺をここに……特異災害対策機動部二課に所属してください!!」
その声は、コンソールルーム全体に反響した。
叔父さんの席の真下に座るオペレーターの二人がこちらを振り向き、丁度入って来た了子さんが足を止める。
やがて、叔父さんはいつもの調子で答えた。
「ダメだ。お前を巻き込むわけにはいかない」
「何でだよ!俺だってもう高校生、適合者じゃないけど避難誘導を手伝う事ぐらいはできる!それとも、また前みたいに"子どもだから"って言うつもりか?」
「そうではない!俺はお前の身を案じてだな……」
「そんな事は分かってるよ!でも俺だって……姉さんだけが戦い続けるの見ているだけなのは、嫌なんだ……」
偶然にも聖遺物、天羽々斬の起動に成功したあの日から……世界初のシンフォギア装者として選ばれた日から、姉さんはずっとその身を剣と鍛えて来た。歳頃の女の子が知っておくべき筈の恋愛も、遊びの一つも覚えず、日常的にアイドル業と任務を繰り返し、休みの日さえ自ら鍛錬に費やしている。
この前、緒川さんが心配していたのを思い出す。奏さんが死んでから、姉さんの表情には常に険があると。
確かに。奏さんは、俺にとってはもう一人の姉のような人だった。あの人の快活さが、真面目すぎる姉さんに安らぎを与えてくれていたのは、遠目に見ても一目で伝わって来た。その喪失が、姉さんをどれだけ悲しませたのかはよく知っている。ストイックな姉さんの性格なら、その原因を己の未熟と恥じて自分を追い込むのは目に見えている。
最近の姉さんは、自らに言い聞かせるように「この身は剣と鍛えた身だ」「戦うために歌っているのだ」と言うようになったとも聞いている。
そんな姉さんは、弟の俺にとっては見ていて辛い。だから、仲間が増えた事がとても嬉しかった。
でも、その仲間というのは……。
「分かってくれ、翔。俺はこれ以上、家族を巻き込みたくないんだ。可愛い姪っ子を戦場に立たせなくてはならないだけでも、結構辛いんだぞ?そこに甥のお前まで危険に晒すなんて……」
「姉さんだけじゃない……俺は立花の事も守りたいんだ!」
「何!?何故お前が響くんの事を!?」
「……話せば少しだけ長くなります」
俺は話す事にした。まだ誰にも、姉さんや緒川さん、親友の純にさえ打ち明けた事のない、昔話を……。
教室に谺響する笑い声。それはとても純粋なものとは言い難く、暗く、ドロドロとしていて、どこか狂気さえ孕んでいるように感じた。
教室の生徒らは、皆一様にある一点に目を向け、嘲笑い続けている。
その視線の先というのが、教室の後ろの方に位置する、とある女生徒の机だった。
生徒らは口々に彼女を罵る。
「うわ、人殺しだ」
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