暁 〜小説投稿サイト〜
戦姫絶唱シンフォギア〜響き交わる伴装者〜
第1楽章〜覚醒の伴装者〜
第1節「掴めなかった手」
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とはいえ、対ノイズ戦用に武装した部隊だ。そう簡単にはやられないだろうし、市民の避難が完了するまでは持ち堪えてくれるはずだ。
 彼らが稼いでくれた時間を、俺達市民が無駄にする事は出来ない。この隙にシェルターまで一気に走り抜ければ……。
 
 そう思っていたが……視界に映りこんだ()()を見た瞬間、俺の脚は止まった。
 先程、俺達市民は特機(トッキ)が稼いでくれた時間を無駄には出来ない、と俺は言った。
 しかし悲しきかな、その時間を無駄にする者がこの世の中には時々存在する。
 例えば、今、目の前にあるコンビニへと侵入して行った火事場泥棒……とかな。
 さて、どうしたものか。特機が誘導しているとはいえ、ノイズに見つかる可能性はゼロじゃない。
 正直言うと、この場合は見なかった事にして逃げた方が理性的だ。欲に目が眩んだ泥棒ネズミが、その後でノイズに殺されてもそれは自業自得。当然の報いだ。
 俺に直接的な不都合があるわけでもなく、むしろ自分の命が大事なら見捨てるのが一番いい。
 
 しかし──
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