第1楽章〜覚醒の伴装者〜
第1節「掴めなかった手」
[5/5]
[8]前話 [9]前 最初 [1]後書き [2]次話
とはいえ、対ノイズ戦用に武装した部隊だ。そう簡単にはやられないだろうし、市民の避難が完了するまでは持ち堪えてくれるはずだ。
彼らが稼いでくれた時間を、俺達市民が無駄にする事は出来ない。この隙にシェルターまで一気に走り抜ければ……。
そう思っていたが……視界に映りこんだそれを見た瞬間、俺の脚は止まった。
先程、俺達市民は特機が稼いでくれた時間を無駄には出来ない、と俺は言った。
しかし悲しきかな、その時間を無駄にする者がこの世の中には時々存在する。
例えば、今、目の前にあるコンビニへと侵入して行った火事場泥棒……とかな。
さて、どうしたものか。特機が誘導しているとはいえ、ノイズに見つかる可能性はゼロじゃない。
正直言うと、この場合は見なかった事にして逃げた方が理性的だ。欲に目が眩んだ泥棒ネズミが、その後でノイズに殺されてもそれは自業自得。当然の報いだ。
俺に直接的な不都合があるわけでもなく、むしろ自分の命が大事なら見捨てるのが一番いい。
しかし──
[8]前話 [9]前 最初 [1]後書き [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ