ガール・ミーツ・オッドアイズ
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食べる?」
捨てるわけにはいかないし、手持ちの誰かに一緒に食べてもらおう。そう思ったとき、目の前をふわりと茶色い髪が躍った。
「キュービさん……?」
スズとの会話になって気づかなかったのか。わたしの目の前には、いつの間にかわたしと同じくらいの背格好をした女の子が立っていた。茶髪のくせっけに、瞳の色が右と左、赤と青で違うオッドアイの子がじっとわたしを見つめている。
「あなたは誰?」
「……」
女の子は答えない。曖昧な表情を浮かべたままわたしを……いや、わたしのお盆に乗るアイスとフラッペに視線を向けていた。
「これが、欲しいの?」
こくこく。そんな表現がぴったりな仕草で首を小さく動かして女の子は答える。多くて困ってたからあげるのはいいけど……この子のことは、気になる。髪型も眼も、キュービさんと無関係な他人とは思えないくらい似ていて……背丈も仕草も幼いから瓜二つっていうのは違うけど。生き写し?っていうのかな。あの人が子供のころはこんな感じだったんだろうなって自然に思えるくらい。無関係とは思えないし、そんな子がわざわざわたしのところに欲しがりにきたのも偶然じゃないはず。
「じゃあ、一緒に食べる?」
元気よく頷く返答を見てちょっとほっとする。適当なテーブル席に座って、女の子にモーモーアイスを渡した。
女の子はわたしにお礼のように頭を下げた後、アイスを食べ始める。人懐っこいけど、喋る気はない……いや、喋れないのかもしれない。ひとまず質問してみよう。
「あなたは、キュービさんの家族?それとも親戚?」
ふるふる。ためらいなく女の子は首を振った。嘘をついているとも思えないけどなんでこんなに似てるんだろう。
「えっと、ならあの人か他のシャトレーヌとお友達?」
「………………」
今度も首を振るけど、だいぶ間があった。知り合いではあるってことかな。
「スズはどう思う……あれ?」
さっきまで勝手に割り込んでくるくらいだったスズは全く反応がない。……声が届いてない? まあ一旦おいておこう。
視線を戻すと、突然他の人に話しかけたわたしに女の子は首をかしげている。怒っている感じではなく、小動物のようなかわいらしい仕草だった。
「ごめんねよそと話して。アイス美味しい?」
頷く代わりに満面の笑みを浮かべる。聞いていいことか迷ったけど、この様子なら大丈夫だろう。
「ねえ、スマホは持ってる?ケータイでもいいけど、メールアドレス交換しない?」
「………………」
ちょっと迷ったように目をそらした後、首を振った。……持ってないみたい。いくらシャトレーヌと知り合いでも小さな子が一人でケータイの一つも持たず歩いてるって不自然なような……いや、このリゾートなら勝手
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