25 かよ子の母、山田まき子
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梅雨どきだから雨は降り続ける。しかし、珍しくこの日は晴れていた。かよ子は学校からの帰り道、道路に所々にある水溜まりをよけながら、まる子、たまえ、そしてとし子の四人で帰っていた。
「かよちゃ〜ん、水溜り踏んで靴濡らさないよ・・・、う・・・」
そう言ったまる子が水溜りの上をバシャっと言って自分の靴と靴下を濡らしてしまった。
「ま、まるちゃんも気をつけないと・・・」
たまえが気弱そうに忠告した。
「うん、アタシもおっちょこちょいなの忘れてたよ〜」
「そういえばさあ」
とし子が話題を変える。
「かよちゃん、この前長山君を悪い人達から守ったんだってね、すごいよ。ちょっとは変わったんじゃないかな?」
「うん、でも、あの時は長山君にも助けられたし、それに、一人は取り逃がしちゃったからまたいつ襲ってくるかわかんないよ・・・」
「そうだね、用心しなくちゃね」
「でも杉山君も凄い関心してたよお〜」
かよ子は好きな男子の名前を言われて赤面した。
「で、でも、杉山君にも助けて貰ったし・・・」
「でも、かよちゃん、杉山君にもいいところアピールできてるよ!」
たまえが励ました。
「う、うん、ありがとう、たまちゃん」
かよ子はやがて三人と別れ、家に着いた。
かよ子は家に帰ると忘れないようにと思い、宿題に取り掛かった。宿題のプリントを学校に置いてきていなくて持ち帰っていた事はおっちょこちょいの自分にとっては非常にホッとする事であった。15分ほどかけて宿題を終え、かよ子は下の階に降りた。母が彼女を呼ぶ。
「かよ子」
「あ、お母さん、今宿題終わったよ」
「そう、じゃ、今日は隣のおばさんも呼んでる予定なの」
「え?どうして?」
「ちょっと話をしようと思ってね」
ちょうどその時、インターホンがなった。
「あら、噂をすれば」
かよ子の母は玄関へと行った。
「まきちゃん、来たよ〜」
隣のおばさんはかよ子の母の名が「まき子」と言う為、彼女の事は「まきちゃん」と呼んでいた。
「奈美子さん、健ちゃんもお上がりになって」
(え、隣のお兄ちゃんも来てるの?)
かよ子はなぜおばさんの甥も来るとは予想しなかった。彼も呼ぶ事が必要なくらいの話をするのだろうか?
「や、かよちゃん。手ぶらじゃなんだからケーキ持ってきたよん」
隣のおばさんと甥の三河口が入ってきた。
「おばさん、ありがとう」
そして母も一緒に戻ってくる。
「それじゃ、話を始めましょうか」
「ところで、話ってどんなの?」
「それはね、かよ子に渡したあの杖の事よ」
「私の杖?」
「そうよ。あれはかよちゃんのお母さんが元々使ってたんよ」
「おばさんもお兄ちゃんも知ってたんだ・・・」
「うん、俺にもその話は知ってるし、かよちゃんの活躍も聞いてるよ。ア
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