TURN23 タイの話その十一
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「あそこの馬鹿司令には色々思うところがあるし」
「東郷かい?」
「そうよ。祖国ちゃんも知ってるわよね」
「勿論だ。そして君は」
「そこから先は言わないでね。わかってるから」
キャロルはアメリカにもそのむっとなった顔を向けた。
「自分でね」
「なら言わないぞ」
「そうしてくれると有り難いわ。それでね」
「ああ、日本との戦いになったら」
「あたしが国防長官として仕切るから」
戦略は彼女が立てるというのだ。
「あとはフィリピンちゃんのところに送った」
「ダグラスさんだね」
「そう。フィリピンちゃんにも頑張ってもらうから」
「わかってるよ。僕もやるからね」
フィリピンは微笑んでキャロルのその言葉に応える。
「頑張らせてもらうよ」
「ただ。今は無理はしないでね」
キャロルはフィリピンへの気遣いも見せた。彼女もただ血の気が多いだけではないのだ。
それ故にアメリカの友人でもあるフィリピンにだ。こう言ったのだ。
「本格的な戦いはもっと後だからね」
「ハワイだな」
アメリカが明るくこの場所を話に出した。
「じゃあ大王にも話しておくか」
「あの王様ねえ」
キャロルは王と聞いてだ。今度は微妙な顔になった。
「ちょっとね」
「あっ、キャロルは大王は苦手だったか」
「だってね。普通に宇宙空間で動けるのよ」
「しかも攻撃もできるな」
「そんな人だからね。怪獣も倒せるから」
「凄い人だな」
「凄過ぎるのよ。ハワイを快く譲ってもくれたけれど」
ハワイは元々はガメリカではなかったのだ。しかしその王がガメリカとの交渉の末ハワイの民達の立場や権益の完全な保障を条件にガメリカに譲ったのだ。
「敵じゃなくて何よりだけれどね」
「僕はあの人のことが好きだぞ」
「あたしも嫌いじゃないけれどそれでもなのよ」
「苦手なのか」
「どうもね。祖国ちゃんとも妹ちゃんとも仲がいいけれど」
キャロルはここでアメリカ妹も見る。
「あたしはちょっとね」
「そうなのか」
「とりあえずあの人の力に頼らず既存の艦隊で戦うから」
ガメリカ軍、彼等でだというのだ。
「ハワイがあれば何とでもなるわ。あそこから反撃するから」
「ハワイの要塞化も整ってるわね」
「ばっちりよ。任せて」
キャロルは明るい顔でジェスチャーも含めてハンナに答えた。
「あたしと祖国ちゃんでしっかりやったわよ」
「そうなのね、祖国さん」
「ああ、キャロルは頑張ってくれたぞ」
アメリカはハンナにも答える。
「ドロシーの科学技術も使った最新鋭の洋裁だぞ」
「祖国さんの為なら何も惜しまないわ」
ドロシーはアメリカのことについても淡々と述べる。
「ガメリカ人だから」
「そうだな。ドロシーもいい娘だぞ」
「ちょっとばかり無表情だけれど
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