第一部
弟子入り
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良い」
「今は修業の旅に出とる焔の両親とワシが認める後継者の一人がレイアじゃからの。貸しを作っておくに越したことはないわい」
紫闇は再びレイアを見る。
「何が有ったか話してくれないか?」
その言葉に紫闇は事情を語り出した。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
紫闇から話を聞いたレイアは彼が強くなりたいのだということを理解できた。
【異能】が宿らない『規格外』と言われている【魔晄外装】でありながら、焔が何故あそこまで強いのかという秘密を知りたがっていることも。
「一応言っておくけど」
焔が右腕に外装を顕現する。
「確かにあたしは君と同じ規格外の外装を持つ【魔術師】。でも今は違う。異能も【超能力】も使えるんだよ。まあ使わなきゃならない相手なんて数えるくらいしか居ないけど」
レイアは弥以覇に目配せした。
「立華の小僧よ。我等が【黒鋼流体術】を修めれば焔には勝てんかもしれんが有象無象に負けることは無い。弟子入りしてみるか?」
願ってもいなかった誘いに紫闇は驚く。
「はい、弟子にして下さい!」
「良い返事じゃな。では聞かせてもらおう。貴様は何の為に強くなろうとする?」
弥以覇から気の塊をぶつけられるような圧力と鋭い視線が放たれた。
紫闇は思わず怯みそうになるも、『負けてたまるか』という思いで耐え抜く。
「自らの力で道を切り拓き、胸を張りながら己の道を一直線に歩む。その為に力が欲しい。強くなり限界を超えて、その末に過去の英雄達のような輝かしい存在になりたいんです」
レイアが肩を叩くと弥以覇が大きく息を吐いてポリポリと自分の頭を掻いた。
そして僅かに口の端を上げて笑う。
「貴様も馬鹿野郎の一人というわけかよ」
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