第十二幕その十二
[8]前話
「一体」
「オズの国の国歌じゃ」
リンキティンク王の歌いたい歌はこの曲でした。
「これをじゃ」
「ああ、オズの国のだね」
「わしの国の国歌でなくな」
「オズの国のじゃ」
大陸全体を治めるこの国のだというのだ。
「歌を歌うぞ」
「王様もオズの国の人だからね」
「それでじゃ」
「今から」
「オズの国歌を歌うのじゃ」
「それならね」
ここでドロシーが言いました。
「皆で歌わない?」
「皆でだね」
「ええ、歌って」
それでというのです。
「楽しい気持ちになりましょう」
「それはいいね」
「そうじゃな」
船長も王様もドロシーのその提案に笑顔で頷きました。
「オズの国の国歌じゃ」
「それを歌うならね」
「それならじゃ」
「皆で歌ってもいいね」
「よし、それならな」
「今からね」
「皆で歌いましょう」
オズマもこう言います。
「私達の国歌をね」
「国歌は高らかに歌うべきですよね」
恵梨香も言います。
「皆で」
「そうよ、その国の人ならね」
「その国の顔とも言っていい歌だから」
「歌う時は」
「オズの国でもですね」
「高らかに歌いましょう」
それも皆でというのです。
「そして貴女達もね」
「オズの国の名誉市民だから」
「オズの国の人だからね」
「じゃあ今から」
「ええ、歌いましょう」
「わかりました」
恵梨香はオズマの言葉ににこりと笑って頷きました、そうして皆でオズの国の国歌を歌いました。その上は高らかにオズの国に響き渡りました。
オズのキャプテン=ビル 完
2019・3・11
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