第十二幕その十
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「どうしてもじゃな」
「はい、歯磨きはですよ」
「絶対にせねばならんな」
「オズの国では虫歯にもなりませんが」
それでもとです、ボボ王子はリンキティンク王にお話します。
「やっぱりお口は臭くなりますし」
「それでじゃな」
「甘いものを食べた後は特に」
例え虫歯にならなくてもというのです。
「しっかりと磨かないと駄目ですよ」
「そうじゃな」
「ですから」
それでと言うのでした。
「今日もですよ」
「後でじゃな」
「しっかりと磨いて」
「そうしてな」
「お風呂に入って」
「寝ることじゃな」
「そういうことです」
王子は王様にしっかりとした声でお話しました。
「皆もそうしていますし」
「ここで歯を磨かない人といったら」
ここで案山子が言ってきました、樵と一緒に飲むことも食べることもしませんが皆が飲んで食べて楽しむ笑顔を見て心の栄養にしています。
「僕とね」
「そして僕とだよ」
案山子と同じく皆の笑顔を心の栄養にしている樵の言葉です、その皆を見て彼等も笑顔になっています。
「そうしてね」
「私よ」
最後にビリーナが言いました。
「私は歯がないからね」
「うん、鳥だからね」
「鳥は大抵歯がないわね」
それでというのです。
「だから歯を磨かないのよ」
「ないからね」
「そうよ、けれどお口はゆすいでね」
「奇麗にしているね」
「そうしてるわ」
こう言うのでした、そしてです。
皆は飛行船に乗ってエメラルドの都に向かってでした、そうして。
数日間飛行船の旅を続けてでした、エメラルドの都に着きました。皆都の南門の前で降り立ってです。
王宮まで戻りました、するとオズマ達が出迎えてくれて。
笑顔で船長達に尋ねてきました。
「楽しい旅だったかしら」
「うん、今回もね」
船長が笑顔で答えます。
「素敵な旅だったよ」
「それは何よりね」
「恵梨香達に色々なものを見せられたしね」
このこともあってというのです。
「本当にだよ」
「いい冒険の旅で」
「心から満足しているよ」
「それは何よりね。それじゃあね」
オズマは皆のお話を聞いてさらに言いました。
「王宮でもね」
「楽しむんだね」
「これからパーティーをするの」
そうするというのです。
「皆も参加してくれるわね」
「一体どういったパーティーかな」
「ダンスパーティーよ」
オズマは船長にすぐに答えました。
「色々なダンスを踊って歌うね」
「そのパーティーをするんだね」
「私もドロシーもいるし」
それにというのです。
「オズの国の名士の皆もね」
「来ているんだ」
「ええ、つぎはぎ娘も戻ってきてくれたし」
オズの国きっての踊り好きの彼女もというのです。
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