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オズのキャプテン船長
第十二幕その九
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「それでよ」
「オズの国の何処にでも」
「迷わずに行けるから」
「お一人でも大丈夫なんですね」
「そして誰が出てもね」
「安全ですね」
「それが今のオズの国よ。お空だってね」
 トロットは今自分達がいる場所のお話もしました。
「凄く安全よ」
「確かに。怖い生きものはいないですね」
「誰も飛行船に襲い掛かってこないでしょ」
「はい」
 見れば飛行船の傍に今度はガーゴイル達が来ました、木で出来た身体で翼で空を飛ぶ彼等はかつてドロシー達を追い掛けました。
 しかし今の彼等は、です。飛行船に対して。
「笑顔で手を振ってくれています」
「そうなったから」
「そのことを見てもですね」
「そうよ、どれだけ安全か」
「いいことですね」
「安全で楽しかったら」
 それでというのです。
「それに越したことはないでしょ」
「そうですよね」
「だから私達も今はね」
「エメラルドの都までですね」
「楽しく向かいましょう」
「ホッホッホ、旅は楽しくじゃよ」
 ステーキをおかわりしつつです、リンキティンク王は言います。
「旅も遊びじゃよ」
「リンキティンク王にとってはそうだね」
「うむ、だからじゃ」
 赤ワインを飲む船長にお話します。
「こうしてじゃ」
「ステーキも食べて」
「安全にな」
 まさにというのです。
「そうして行こうぞ」
「それではね」
「それでじゃが」
 リンキティンク王はステーキを食べながらさらに言いました。
「デザートは何かのう」
「今日のデザートはパイよ」
「それか」
「ええ、桃のパイよ」
 テーブル掛けから今日の晩ご飯も出しているトロットが答えます。
「それだから」
「デザートもじゃな」
「楽しんでね」
「わかった、やはりじゃ」
「王様はお菓子がよね」
「それがないとな」
 どうしてもとです、王様は答えました。
「駄目じゃ」
「何時でもね」
「甘いものは大好きじゃ」
 実際にというのです。
「だからじゃ」
「今日の晩ご飯でもね」
「ステーキもよいが」
 勿論これまでのサラダやスープやムニエルもです。
「やはりな」
「デザートがね」
「甘いものがないとはじまらんわ」
「ですね、王様はまさに永遠の子供です」
 ボボ王子も笑顔で言います。
「何時までもその心を忘れない」
「そうじゃ、わしは王様であるがな」
「それと共にですね」
「ずっと子供の心を忘れないな」
「そうした人ですね」
「だからじゃ、甘いものもじゃ」
 子供なら皆大好きなこちらもというのです。
「大好きでな」
「それで今日の晩ご飯も」
「その桃のパイもじゃ」
「召し上がられますね」
「思う存分な、しかし甘いものを食べた後は」
 王様はそれからのこともお話します
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