TURN23 タイの話その五
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「では後は」
「何だ?何か食べるのか?」
「僕が何か作りましょう」
「いや、御前は今は客だ。客にそんなことはさせない」
「では貴女が」
「何がいい?それで」
「麺と。そして」
タイはそのにこやかな笑顔のままベトナムに希望を話していく。
「生春巻きをお願いします」
「わかった。ではな」
「それでは」
「少し待っていてくれ」
料理を作るそれまでの間はだというのだ。
「それまで茶でも飲んでいてくれ」
「そうさせてもらいますね。そういえば」
「何だ、今度は」
「貴女の料理を御馳走になるのも久し振りですね」
「そういえばそうだな」
「僕と貴女も色々ありますが」
「独立は支持するのだな」
タイのその穏やかな微笑みを見つつだ。ベトナムはその彼に問うた。
「そのことは」
「はい、その通りです」
「その方が御前にとっていいだけでなく」
「貴女も。他の方々も一緒に経済圏を築いて動けるのならこれだけいいことはありません」
「仲間か」
「友人ですね」
それにあたるというのだ。
「これからまたお友達になりましょう」
「そうか。では友人としてな」
「宜しくお願いします」
こうベトナムに言うタイだった。そしてだ。
彼はベトナムが作るその麺と生春巻きを食べたのだった。そうしてだ。
彼等も動くのだった。太平洋での戦争が本格的にはじまろうとする中で各国はそうしていた。
太平洋は動こうとしていた。そしてそれに対して。
欧州は動いていた。レーティアはグレシアと共にパリに入った。
「ジークハイル!ジークハイル!」
「諸君、時は来た!」
レーティアは自分を迎えるドクツの将兵達に対して演説した。
「我々は既に東欧と北欧を掌握し憎むべき宿敵の一つオフランスを倒した!」
まずはドクツの緒戦の勝利のことを言う。
「このことはかつてない偉業だ。ドクツに最早敵はない。しかしだ」
ここでだ。こう言うのだった。
「まだ宿敵は残っている。その宿敵こそは」
「エイリス!」
「エイリスです!」
「そうだエイリスだ。諸君等の家族、そして諸君達を苦しめたあの国がまだ存在している!」
このことを彼等に言う。訴えると言ってもいい。
「彼等はまだ生きている。しかしだ」
そのエイリスがだ。どうなっているかというのだ。
「今そのエイリスを目の前にしている。それならだ」
「はい、倒しましょう!」
「エイリスを!」
「その通りだ。我々は間も無くエイリスに総攻撃を仕掛ける!」
レーティアは断言した。ドクツのこれからの軍事行動を。
「そしてあの国を倒す!復讐を完遂するのだ!」
こう言ってだ。さらにだった。
「我がドクツの復讐!それを果たすのだ!」
「ジークハイル!ジークハイル!」
「ドクツに栄光
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