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曇天に哭く修羅
第一部
挫折
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軍人』としての魔術師は務まらん。競技者としての魔術師であろうとな。無駄な努力は止めて大人しく一般人として生きていろ」


紫闇はこれまでの生き方、積み重ねの全てを否定されたような気がした。

生徒達は教官に同調する。


「マジでだせぇ(笑)」

「お前が活躍できるとでも?」

「弱い者いじめの趣味は無いんだよなぁ」

「典型的な脳内チャンピオンじゃねーかw」

「実力差から逃げるのはしゃーないとしてクリーンヒットが効かないのはちょっと」

「はっきり言ってやれよ。格好悪いって」


江神春斗(こうがみはると)》は特に失望していない。

ただ残念な顔をしていた。


「立華紫闇。お前はまともな実戦訓練もしたことが無かったのだな。今までは体力を付けることに主眼を置いていたのか。ならばまだ間に合う。強くなれる筈だ。出来ればもっと昔から実戦に慣れておいてほしかったが」


小・中学生の成長期に戦闘競技者としての基礎を学んでいないのは痛い。

まともに友人も作らず祖父と剣に生きてきた春斗だからこそ解っていた。

犠牲にした期間の重要性を。


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


「『敗北』とは打ちのめされ倒れ伏すことを指すのではない。弱さと諦めを受け入れてしまうことを言うのだと私は思っている。お前は諦めないと息巻いてこの(ざま)か? そんな(てい)たらくでよくも【魔神】になるとほざいたな」


春斗の気遣いと美鈴の辛辣(しんらつ)さに何も言えない紫闇はひたすら心が痛む。

気付けば逃げ出していた。

彼は家に着くと直ぐに自分の部屋へと駆け込みベッドへ倒れ込んでしまう。

正に生き地獄。


格好悪い

みっともない

地球上で最も醜い

そんな劣等感を(いだ)いて生きてきた。

人生の大半をである。


耐えられたのはあの[必殺技]が有ったからであり、あれは紫闇の心の支えだった。

しかし必殺技はもう無い。


「どれだけ繰り返した? 報われない努力を。何度持ったっけ? 届かない想いを。ああ……もう嫌だ。こんな人生はもう沢山だ……」


今日のことで夢見ていた将来の、魔術師となって英雄と(たた)えられる道は絶たれてしまったのだろうという確信が有る。

しかし彼は出来なかった。

学園を去る選択を。

頭の中で青獅との実戦訓練が始まる前から終わった後までのことが延々とループしているが、一番痛かったのは春斗に気を遣わせたこと。


「終わりたくない……!」


紫闇にとって春斗は見ていると腹立たしくて妬ましい劣等感が刺激される奴だった。


(江神は誰かを見下してるわけじゃない。俺
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