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ジェミニの夢
【第2話】夢想と具現と、強化訓練。
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返事をしながら足場を駆け上がります。
 これまで励んだ訓練のおかげで、身体強化なんて御茶の子さいさい! 少しも息も切らさず、あっという間に高い場所へ躍り出ます。

「おねーちゃん! さっき叶夢が考えたやつ、やっていーのですかッ!」
『そのつもりで上げたのサ! 受け取ってネェ、【再送信】!』

 頭の中に流れ込んできた、おねーちゃんが改造してくれた叶夢の【想像】。
 叶夢が考えたものよりも更に強く、カッコよくなったそれを、嬉々として【具現化】させます。

「渦を巻いて、強くキツく収束! 叶夢たちよりも大きく! あのデカブツよりも大きく成るのですよ!」

 手の中に現れたそれは叶夢の言葉に呼応して、バチバチと火花を飛ばしながら大きく成長していきます。



「さぁ今こそ堕ちるのですメテオ! あのデカブツを、ぺしゃんこにしてやるのですよ────!」


 頭上に高々と掲げた真っ黒な巨大な隕石もどきを!
 デカブツに向けて、思いッ切り振り落とす────!






「HAHAHAHAHA! 合格、合格だよ叶夢くん!」
「テストって叶夢たちのテストなのですよ────!?」

 巨大なクレーター。その中心地で文字通りぺしゃんことなったデカブツ。
 産業廃棄物と化したそれに優雅に腰をかけて、おとーさんが楽しそうに拍手を送っています。

「どーゆーことなのですよ、おとーさんッ!?」
「うん、だからね?」

 惜しみのない拍手を送りつつ、とんでもない発言をブチかましました。




「明日、君たちには雄英高校の────入学試験を受けてもらうよ!」







 雄英高校の一般入試には、実技試験と筆記試験がある。
 実技試験には叶夢が、筆記試験には私が【出る】ことになった。

「お、おねーちゃん……叶夢おかしくないです?」
『ウン。カッコイイヨゥ、叶夢』

 お父サンが用意してくれた特製スーツに身を包んだ叶夢。
 ソワソワ、ワクワク。とっても楽しそうな片割れの姿に私もなんだか楽しくなる。

「それじゃあ頑張っておいで。応援しているよ!」
「まっかせるのですよ!」

 叶夢が元気のいい声で返事をして、私たちは家を飛び出した。


「────いってきますなのですよ!」





「こ、ここが試験会場、ですか」
『緊張しているノ、叶夢?』

 お父サンの容赦ない訓練のおかげで、叶夢の身体さばきはとても良い。
 しかし緊張しているせいか、今の叶夢はかなりぎこちない。

『リラックスだヨゥ叶夢。ぶっちゃけ、この試験は無理して合格しなくていいヨゥ』

 私は別に、ヒーローに憧れてなんていない。
 だから、この雄英高校に入学することに
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