【第2話】夢想と具現と、強化訓練。
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あれから時が過ぎ、気付けば私たちは15歳になっていた。
普通の教育機関へは行かず、お父サンのもとで“個性”を使いこなす為の訓練に励んでいた。
私、眠瀬夢見の“個性”は「夢想」。
他者の想像へと干渉し、変えてしまうもの。
双子の片割れ、眠瀬叶夢の“個性”は「具現」。
他者の想像を読み取り、具現化するもの。
「おそらく、叶夢くんや君たちのお母さんが助けたいと願ったその想像に夢見くんが干渉して、改めて伝播されたそれを叶夢くんが具現化したことで、君たちは一つになったんじゃないかな」
「私たち、ずっとこのままなのカナ?」
「うーん、くっつけたなら、離れることもできると思うけどねぇ」
『おねーちゃんは叶夢と離れたいのですか!?』
がーん、と効果音が聞こえてきそうな叶夢の声に苦笑いする。
「違うヨゥ。叶夢と分離できたら、一緒に歩いタリ、ご飯一緒に食べられるナァって思ってただけだヨゥ」
『そ、それは何とも魅力的なのですよ……!』
時々、片割れがちょろくて将来が心配になってくる。
私の“個性”も、叶夢の“個性”も。
一人では成り立たないものだ。
だからこそ、私たちはあのとき一つになることを選んだのではないだろうか。
『叶夢!』
「はいなのですよ、おねーちゃん!」
叶夢たちは、身体の【切替】ができます。
ちゃんとそれぞれの身体に変化できるように、おとーさんとの“個性”特訓で会得したのですよ。
おねーちゃんの髪と目は青紫色ですが、叶夢のは赤紫色です。そこだけ違うのはなんだか少し残念でもあるのですが、おねーちゃんがおねーちゃんで叶夢が叶夢であることの証でもあるので、なかなか憎めません。
そんな叶夢たちがわざわざ身体の【切替】を行い、何をやっているかというと。
「いい加減ブッ倒れろなのですよ、このデカブツ────!」
巨大で凶悪なロボットと、模擬戦闘の真っ最中なのですよ!
「仮想ヴィラン? なんですかソレ?」
「今度うちの高校の入試試験で使うんだけど、まだテストしてなくてね! 良かったら協力してくれると嬉しいんだけど、どうかな?」
「しょうがねーですねぇ〜〜〜〜! 叶夢たちがしっかりテストしてやるのですよ!!!!」
『ヤダ、叶夢ちょろスギ……』
叶夢たちよりも何倍も、何十倍も。
いえ、何百倍もでかいそのロボットが、こちらに向けて腕を振るってきます。
「【具現】!」
おねーちゃんが送ってきた【想像】を間髪入れず【具現化】させ、空中に足場を創り上げます。
『そのまま上に行って叶夢!』
「はいなのですよ!」
元気よく
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