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オズのキャプテン船長
第十一幕その八
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「境を知ることも大事だからね」
「その国のね」
「オズの国の境にはヨルムンガルドがいてね」
「そして出ようとするとオズの国の逆の方角に出てしまうのだよ」
「そうした不思議な結界が張られていてね」
「オズの国から出られないのだよ」
「そして入るにしてもですね」
 恵梨香も言ってきました。
「入る運命の人でないと」
「オズの国には入られないんですね」
 ジョージもこう言ってきました。
「そう聞きました」
「今はそうなってるんですね」
 神宝の口調はしみじみとしたものです。
「そうなんですね」
「特別な方法じゃ出入り出来ないんですね」
 カルロスは自分達が出入りしている渦のことを思うのでした。
「このオズの国には」
「それで外の世界からはオズの国は見えない」
 ナターシャはこのことをお話しました。
「そうしたお国ですか」
「そうなんだ」
 案山子が五人に答えました。
「だから君達が出入り出来ることもね」
「運命ですね」
「そうだよ、だからこそね」
「今もですね」
「オズの国にいて」
 そしてというのです。
「楽しんでいるんだ」
「そうですか」
「そしてね」 
 それでというのです。
「僕達とも会えているんだ」
「そう、オズの国に行き来出来ることは」
 樵も皆にお話します。
「運命だよ、入ってね」
「そしてですね」
「暮らせることも」
「そのことも運命ですね」
「船長さん達みたいに出来ることも」
「それもまた」
「そうだよ、そして若し出入りしたり暮らせる運命でないとしても」
 そうであってもというのです。
「運命は変わって変えられるからね」
「出入りしたり暮らせる運命になれば」
「その時はですね」
「今の僕達や船長さん達みたいになれる」
「そうなるんですね」
「例えそうでなくても」
「そうだよ、そしてオズの国を心から愛していれば」 
 そうした人はといいますと。
「外の世界での命が終わればね」
「その時にですね」
「オズの国に行けますね」
「外の世界からさよならをして」
「そしてそのうえで」
「船長さんみたいに」
「そうなんだ、だからボームさんもね」
 この人もというのです。
「今オズの国にいるんだ」
「ボームさんがおられたから」
 それでとです、恵梨香は言いました。
「皆オズの国を知ることが出来ましたし」
「そうだね」
「そうだね、だからね」
「それで、ですね」
「オズの国を心から愛している人は」
「絶対にオズの国に行けるんですね」
「だからオズの国の人口もね」
 こちらのこともというのです。
「増えているんだよ」
「オズの国を愛している人達が来てくれるから」
「そうなんだ」
「それでわしの国もじゃ」
 リンキティン
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