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遊戯王BV〜摩天楼の四方山話〜
ターン17 錬金武者対赤髪の夜叉
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機械仕掛けの大弓。2つのカードが渦を描いて空中で混じりあい、超重の息吹に触れた卑金属は貴金属へとその真の力を覚醒させる。

「堅牢なる鋼鉄の魂が、輝き纏い昇華する。融合召喚!叫べ、アダマンテ!」

 メタルフォーゼ・アダマンテ 攻2500

 騎乗していたバイクが変形し、スティエレンの装甲となる。肩部分から生える燃え盛ったままの2つのタイヤはその回転エネルギーから無限のパワーを生み出し、腰に移動した排気管からは勢いよくジェット噴射ばりに炎が吹き上がる。そのエネルギーの行き先は、彼が手にした2本の剣……赤熱の二刀流を構え、アダマンテがその切っ先を糸巻へと向ける。

「そしてこの瞬間、フィールドから墓地に送られたイワトオシの効果を発動。デッキから超重武者モンスター1体を手札に加える。超重武者ツヅ−3を手札に加え、錬装融合の更なる効果を発動。このカードをデッキに戻すことで、カードを1枚ドローする。ふむ……バトルだ。アダマンテでユニゾンビに攻撃」

 大量の爆炎を噴き上げて、炎の軌跡がユニゾンビへと迫る。しかしその剣先が届く寸前、アダマンテの眼前に漆黒の傘がパッと開いた。

「モンスターの攻撃宣言時、アタシは手札からヴァンパイア・フロイラインの効果を発動!このカードを守備表示で特殊召喚させてもらう」

 ヴァンパイア・フロイライン 守2000

 傘の持ち主は、不気味なほど白い肌と絵と対照的に赤く妖しい光を放つ目をした人形のような金髪美女。しかしその足元には、本来存在するはずの影がない。より正確に描写すれば、その手にした傘の影はしっかりと地面に浮かんでいる。だというのに肝心の彼女だけが、地面に影を落としていないのだ。
 しかし、それはサーチを見ていた鼓にとっても想定内。

「削りだけでも仕掛けておくさ。攻撃対象を変更、そのフロイラインに攻撃」

 肩のタイヤが高速回転し、減速した推進エネルギーが再び蘇る。炎の軌跡を描き降りぬかれた細身の剣が、女吸血鬼の傘とぶつかって激しく火花を散らした。

「ならこの瞬間、フロイラインの効果発動!アタシのアンデット族が相手モンスターとバトルを行う時、フロイラインにアタシの(ライフ)をくれてやることでその攻守を上げる。アタシが払うライフは……まあ500で十分だ、な!」

 フロイラインの傘の影から1匹のコウモリが音もなく宙に舞い、糸巻の伸ばした腕にその鋭い牙を深々とめり込ませる。プレイヤーの生き血はヴァンパイアの活力となり、一時的なブーストを得たフロイラインの細腕が錬金のエネルギーと互角の膂力を発揮する。

 メタルフォーゼ・アダマンテ 攻2500→ヴァンパイア・フロイライン 守2000→2500
 糸巻 LP4000→3500

「ご苦労、アダマンテ。それにしても随分慎
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