この勝負は護神の下に
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後のポケモン、どうせなら人生のパートナーをお見せしましょうか!おいでませ、勝利を打ち鳴らす巨竜!その名も!」
チュニンが取り出したのは赤い塗装が擦り切れてぼろぼろになったモンスターボールだった。アローラ出身とも言っていたし長い付き合いがあるらしいそれから出てきたのは。アローラのみ生息する、しかしアローラでもめったに見かけることはないポケモン。鎖で縛られた怪物が解き放たれるような擦れる金属音を鳴らしながら、ジャラランガが腕を振るう。
【格闘・ドラゴンという珍しいタイプ。特性も防塵、防弾、防音と一部の技を無効にする特性のいずれかを持ち、各地方に伝説を除き2体ほどしかいないレベルの種族能力を有する強力なポケモンですね】
「……それでも、負けられないよ。わたしは、アローラの怪盗なんだから!いくよルカリオ!」
鋼・格闘のルカリオとジャラランガの相性はあまりよくない。相手は能力の非常に高いポケモンということらしいし、長期戦になればなるほど不利なはず。だから、わたしは気持ちを込める。
それは曖昧な根性論なんかじゃない。ルカリオが持つのは心を、波導を感じ取る力。わたしの想いをくみ取ったルカリオの手に波導の力がどんどんたまっていく。
「『波導弾』ですか……ですがそれならこの勝負もらいましたよ!ジャラランガ、『スケイルノイズ』!」
ジャラランガに命じるチュニンは勝利を確信したように見えた。だけど、その油断にこそ勝機がある!
負けられない。その気持ちはルカリオだけじゃなく、わたしの手にはめたリングにゼンリョクを込めて。ルカリオの波導にさらなる力を与える。
「ここは一気に終わらせるわ。アローラのZワザで!」
「それが技の威力を強化するZワザですか!しかしジャラランガの特性は『防弾』!どれだけ威力が高かろうと、弾丸による攻撃を無効に……」
「Zワザは元になった威力を元にその威力が決定する。だけど技としてはあくまで別物、よって『防弾』の影響は受けない!」
「なんですって!ジャラランガ、守りの体制を!」
「もう遅い!行くよルカリオ、『全力夢想激烈拳』!」
最大の波導をまとったルカリオは『神速』にも近い速度でジャラランガの懐へ一瞬で潜り込む。堅そうな鱗が体をふさいでしまう前に、一発一発が波導のエネルギーのこもった拳をありったけ叩き込んだ。
これと普通の『神速』一発で倒せるだけのダメージを与えられていればわたしの勝ち……!
祈るような気持ちでジャラランガを見ていると、チュニンは薄く笑ってボールにジャラランガを戻した。
「……お見事!完全にチュニンの負けです!さすが怪盗という立場を任されているだけのことはありますね!」
「勝った……のね。うん、よかった」
肩を撫でおろすわたしにチュニンは歩み寄って右手を差し出す。
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