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戦闘携帯のラストリゾート
この勝負は護神の下に
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ンの目がまったく笑っていないように見えるのは気のせいだと思うことにした。
 シャトレーヌはコホン、と咳ばらいをして、わたしとチュニン、両方を赤い一つの目で見やる。

「アローラの怪盗さん。改めて今からこのシャトレーヌに……あなたのポケモンバトル、披露していただける?」

 それはお願いじゃなかった。シャトレーヌの赤い瞳は、さっきまでのわたしと握手したり、四天王にサボられたりして落ち込む姿とはまるで違う輝きでわたしに命じる。
 バトルリゾートの支配者としての彼女の言葉は、一瞬わたしの身を確かに竦ませた。
 ……でも、わたしだってどんな罠があっても獲物を盗み、誰が相手でもポケモンバトルで状況を切り開く怪盗なんだから。弱気になんてなってられない。
 わたしは頷くと、キュービさんは大きく宣言した。

「ルールはシングルバトル、使用ポケモンは三体で。この勝負は護神の下に!」
「いくよ!グソクムシャ!」
「なるほど……では頼みます、キノガッサ!」

 わたしが出すのは大きな甲冑のような殻をまとった虫・水タイプのポケモン。チュニンの人の頭にキノコを被ったようなポケモンは……

【草・格闘タイプ。高い攻撃力を持つ伸縮自在の腕に、キノコ型のポケモンが有する『キノコのほうし』が強力ですね】

 スズが相手ポケモンの情報を教えてくれる。タイプ相性的にはほぼ互角といったところ。なら……ここは臆さずわたしたちのいつもの戦法で攻める!

「グソクムシャ、『であいがしら』!」

 グソクムシャの素早さはお世辞にも早くはない。だけどボールから出てほんの少しの間のみ、高速で動ける技がある。それも『不意打ち』や『神速』さえ上回る威力で。
 キノガッサがパンチや胞子を使うよりも早く、グソクムシャが鋭い爪を叩き込む。

「速い……!?しかし、一撃ではやられません!キノガッサ、『タネ爆弾』!」

 大きくのけぞりながらも、吹き飛ばされた勢いで体を回転させ尻尾からタネを飛ばそうとするキノガッサ。だけど……運はこちらに向いてるみたい。
 キノガッサは巨大なグソクムシャに威圧されたように動きを止めていた。

「まさか、『ねこだまし』と同様の効果を!?」
「いいえ、グソクムシャに持たせた『王者のしるし』の効果!この道具を持つポケモンが先に攻撃したとき、相手はひるんで動けない!」

 ……ことがある。でも発動したんだからこういう言い方でもいいよね。

「やりますね……一旦距離を取りましょうキノガッサ!あの見た目からして常に高速で動き続けることはできないはず!」

 キノガッサは短い腕を地面につけ、一気に伸ばすことで大きく後ろにジャンプする。

「だけど、離れてしまえばそちらの攻撃力も活かせないんじゃない?」
「甘く見てもらっては困
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