暁 〜小説投稿サイト〜
曇天に哭く修羅
第一部
格付け箔付け
[1/2]

[8]前話 前書き [1] 最後 [2]次話
【龍帝学園】の一年生において学年序列一位の《クリス・ネバーエンド》が教官の《斬崎美鈴/きりさきみすず》から9人を相手にしての実戦訓練を命令され、クリスもそれを受けた。

しかし9人は二位から十位。

クリスに次ぐ一年の実力者達。

そのことに《江神春斗(こうがみはると)》以外は驚く。

立華紫闇(たちばなしあん)》も9対1ですら有り得ないのに学年序列最上位ばかりが一人に向かって挑むという状況が信じられなかった。

だが一人で戦わねばならないクリスはひたすら余裕で不敵な態度を崩さない。

実戦訓練スペースの床に有る[結界/バリア]の展開装置がクリスと9人の対戦相手を包み込んでバトルフィールドを形成する。


「では始めろ」


美鈴の声に9人が外装を構える。

すると彼等の目前に巨大な[装紋陣(サークル)]が現れて少しずつ浮き上がっていく。

そこから顕現したのは腕。

無機質で灰色。

鉄で出来たような。

人よりも大きい。


「さーて行きましょうか。恨まないでね? 直ぐに終わらせてあげるから」


クリスは腕を組む。

白銀の【魔晄(まこう)】を帯びて迎え撃つ。


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


一年の序列二位から十位。


「思ったより脆かったわね」


クリスの前には10秒立てただけ。

彼女は戦闘で全く動かなかった。


彼女の【魔晄外装】は浮遊する鋼の巨腕。


指から途切れず放たれるミサイルや召喚されてくる大量の銃砲による弾雨。

それらは視界を埋め尽くす。

過剰な火力に相手は瞬く間に倒れていく。

戦闘を見ていた春斗以外の生徒は紫闇と同じく呆然と口を開けっ放しになった。

クリスが負けることを期待していたのだろう教官の美鈴も苦い顔をしている。


(これ、江神よりもヤバくないか?)


攻撃力では彼の上であろう。

そう考える紫闇の耳に聞こえた。


「フッ、準備運動はこれくらいで良いかしらね。じゃあ本番といこうかしら」


クリスは笑みを浮かべて首を回す。

誰かを捜しているようだ。

紫闇は彼女が『特別な存在』の自分を見抜いて挑んでくるのかと緊張してしまう。


「初めてあんたを見た時から気になってた。本っ当に良い踏み台になってくれそうだから」


睨んだのは江神春斗。

彼は興味無さげな顔から迷惑そうな顔になり、溜め息を吐くと肩を落とす。


「断らせてもらう。オレに興味無し。この立ち合いは避けるべきだ。互いの為にならん」

「あたしとの戦いから逃げてる割に、何処か上から目線っぽい気がするのが腹立つわ〜! 機会が有ったら覚悟しな
[8]前話 前書き [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ